第3話 ココナと秘密の魔法

ある日の夜のこと、ココナは不思議な夢を見ます。
それは自分が「まほうしょうじょ」となって、突如として世界に現れた「あくのぐんだん」と戦う夢。
しかしそれはただの夢ではなくて、少しずつ正夢の様相を呈してくるのでした。

その1 134

「……ひゃあぁっ!!」
ぬめる触手がココナの股間に迫ろうかというその瞬間、ココナは思いっきり跳ね起きた。
そこは自分の部屋のベッドの上。ちらっと窓を見れば、朝日がカーテンの隙間から差し始めていた。
「はぅ……ゆ、夢かぁ……」
自分が魔法少女になって、悪の軍団の触手と戦う夢。
ココナには、魔法少女だとか悪の軍団だとかはいまいちよくわからなかったけれど、とにかく不思議な夢だった。
夢にしては鮮明に残っている記憶をぼんやりと反芻しながら、ココナはクローゼットに手を伸ばして……
自分の身体に違和感を感じたのはその時だった。

その2 かからさん

「きゃあっ!」
なんだか体に少しぞくりとするような感覚が走り、思わず叫んでしまった。
「・・・?治まったかなぁ?」
安心し、またクローゼットへ。その瞬間、ココナの体は青く輝きはじめ、部屋全体を照らすほどまで光った。
気づくと、心配そうにルティが自分の顔を覗き込んでいるのが目に入った。時計は12時ちょうどを指したところだった・・・。

その3 ブチャルティさん

 「うにっ…、ご主人…様…、おはようございます…。」
 「ココナ!気がついたの?良かった…」
ココナがルティに挨拶をすると、ルティは今にも泣き出しそうな顔で、ココナに抱きついた。
 「うにっ、あの、その…」
 この展開をまったく予想していなかったココナはわけがわからずしどろもどろした。
 ――どうしてご主人様は泣きそうな顔で私に抱きつくのだろう?夢でも見てるのかな…?
 いつもとは全く逆のパターンにココナは一瞬夢でも見ているのかと思ったが、
 ルティの太陽のような匂いや、服の上から伝わってくるぬくもりはまぎれもない現実のものだった。
 ――夢じゃないみたいだけど…、じゃあどうして…?
 ココナはとりあえず今までのことを思い返すことにした。
 ──確か今日の朝変な夢を見て、着替えようとしたら体が光って、それから…
 そこから先が思い出せない。いったいそれから自分はどうしたんだろう?
 ふと時計を見ると12の所で、針が重なっていた。確か今日は……
 「うにっ!!ご、ご主人様!仕事始まってますよ!」
 今日は平日で、いつもならルティはとっくに家を出ていて、この時間にはいないはずだ。
それに今日は自分が朝ごはんの当番だ。早くしないとルティが大遅刻してしまう。
 慌てて準備をしようとしたが、ルティがしっかりと抱きついているため、動けない。
 「あの、ご主人様、急いで朝ごはんを作るので離してください。」
 ──すぐにできる料理は何だろう?昨日の晩の残り物で使えそうなものはあったっけ?
何とか時間短縮しようとあれこれ考えているココナの耳に
「ごめんね、ココナ……。」
 ルティの涙声が響いた瞬間、焦燥で熱くなっていたココナの頭は一瞬で冷めた。
 「ご主人…様…?」
 「いつも私のためにがんばってくれてるのに、私のほうはココナの容態に気がつかなくて…」
 そう言われて初めて、ココナは自分の体がなんだかだるいことに気がついた。
 「看護師失格だよね…、一番身近な人の病気に気がつかないなんて…」
 「そ、そんなことないですよ、ご主人様は世界一の看護師さんです。」
 ココナはルティの様子に戸惑いながらも、今自分がおかれている状況を理解した。
 どうやら自分はあの時気を失い、それから今までずっとルティに看病されていたらしい。
 それからココナはルティにつきっきりで看病をしてもらった。
 自分のためにルティが仕事を休んだ、ということに罪悪感はあったが、
 大好きなルティにずっと一緒にいてもらえ、甘えることができたココナはこの時、
──うに〜っ、幸せです〜。この状態が一生続けば良いのにな〜。
と思った。
だが次の日起きたときには、残念なことに体調はいつもの調子に戻っていた。
 ――でも、ご主人様にこれ以上迷惑かけなくて済みそうです。
 昨日感じていただるさや、違和感も今ではすっかり元通りになり、万全といった感じだ。
 ──まずは着替えてそれから朝ごはん作って…
 そんなことを考えながらパジャマのボタンをはずそうと、ボタンに両手を伸ばした瞬間、
 手の間に電気のようなものが走った。
 「ひゃぁ!」
 びっくりして、手を離す。どきどきしながら手のひらを見比べてみたが、
特に変わった様子はない。それに、電気のようなものが走った時、まったく痛みはなかった。
 恐る恐る、もう一度、両手を近づけてみる。
5センチ感覚まで近づけたところで、再び手の間を電気のようなものが行き来する。
 ──なんだろ、これ…?ミリルさんか、ご主人様なら何かわかるかも。
 自分一人で考えても答えが出ず、特に痛いということもなかったので、
 ココナはこれ以上の詮索は止め、服に着替えてから朝ごはんの用意をし始めた。

その4 略さん

「できた〜今日はこんな感じかなぁ〜」
ココナは朝ごはんを作り終え、運ぼうとした。
「ひゃぁ!」
手の間を電気のようなものが行き来した瞬間、朝ごはんは黒焦げになってしまった。
勿論こんなものを出せるはずがなく、ココナはまた作ることにした。

その5 geitoさん

「ふぅ、なんとか出来ましたです」
作り直してようやく皆の所へ持ってゆくココナ。
「くーちゃん、今日はご飯出すの少し遅かったね」
「ええ、ちょっと失敗してしまって…」
「ココナが?珍しい、まだ寝ぼけてるんじゃないの?」
「うに〜、そんなことないです!!」
心配するシリルをよそにミリルがちょっかいをだす。
朝ご飯を食べてる最中、ココナは電気の事を2人に聞いてみた。
ルティもミリルからも有力な情報は無かった。
「くーちゃん、少し疲れてるんじゃない?」
シリルが割ってはいる。
「そうかも、このところ色々あったしね、少し休憩したら」
「えっ、でもご主人様の仕事が…」
「ココナ、この後は自由とします。 草原でも行ってらっしゃいな」
ルティも休憩を進めた。 ココナはしぶしぶと了承した。
朝食が終わった後、ミリルとシリルは外へ、ルティは後片付けと台所へと入って行った。
ココナはルティに言われるがまま、風が気持ちいい草原で座っていた。
「この前の青い光り、指を指そうとすると電気が走って、私如何しちゃったんでしょう? はぁ」
ため息をつきながら、寝転がるココナ、やがて空色が悪くなってきた。
「うに、天気が悪くなってきました。そろそろ帰った方が良いですね。」
立ち上がって後ろを振り向いたそのときだった。
そこに一匹の触手持ちのモンスターがいた。
「うに、何なんでしょう?」
ゆっくり近づくココナ、モンスターは何もせず、まるで様子を見てる感じだ。 ココナはゆっくりモンスターに手を伸ばしたそのときだった。
「ココナ!!そいつから離れて!!」
「えっ」
声と同時にモンスターに蹴りを入れた、それはミリルだった。
「ミリルさん!!どうしたんです?」
「こいつにシリルがやられたの。ただ、触手で犯されただけだったのに」
「どうしたんです?」
「シリルが速いタイミングでイったの、そしたらシリル急に顔色が悪くなって、ルティにも見てもらったんだけど、毒も何も受けてないって。」
「っでシリルさんはどうしたんです?」
「良く分かんないけど、メタモルフォーゼの力を奪われてるって」
「えっ!?」
不気味な事を聞いた。メタモルフォーゼ、それは彼女達が力を発揮するのに必要な力、それを奪ったと言うのだ。
「っでさっきっからこいつを追い詰めて力づくで力を取り戻そうとしてるんだけど………みて」
「うっうに〜〜〜〜」
見ると、先ほど蹴りを受けたはずのモンスターはピンピンしている。しかも蹴られた部分は何事も無かったの用に傷が塞がっている。
「やっぱり駄目ね、もう、どうなってるのよこいつの体は!!」
もう一度ミリルが攻める、…が
「うわ!!」
今度はモンスターの方が無数の触手でミリルを攻撃する、まるで鞭のように素早くミリルを打ちつける。そのまま倒れてしまった。
「ミリルさん!! もうやめてください」
ココナはミリルの前に立つミリルはココナに逃げろと言うがココナは逃げなかった。友達を置いてゆくのが出来なかったのだ。 その時だった。
「ひゃあ!!」
モンスターはココナに触手を放ち足を捕えた。ココナはそのまま尻餅付くと今度はもう片方の足を別の触手が捉える。
容赦なく両足を左右に広げる。
「いっいや」
また1本の触手が両足の間に入り、パンツをどかす、モンスターからココナのすじは丸見えだった。もう1本をそこに近づける。 入れるつもりだとミリルは悟った
「やばい、このままじゃココナちゃんも…」
その時だった。ココナの体が再び青く光りだした。モンスターはまるでその光りから逃げるように触手を離した。
「うっうに?これ、この前の光りと同じ…」
『ココナ、貴方に力を…』
「えっ?誰です?」
突然声が聞こえたと同時にココナの来ていた服が消えた、しかも青い光りがココナにくっ付くと新たな服が出来た。
さらに腕には、青い水晶の付いた腕輪が付いた。
まるでその姿は、夢見ていた時のココナの姿だった。
やがて光りが消えてきた。
「うに〜〜、何ですか〜〜〜、これ〜〜〜」
『今の君には電撃が使える、あの電気だよ』
「えっ?」
『それを操って、仲間を助けるんだ。出し方は、何回もやってるよね』
「えっえっ?」
『じゃあ、頑張って』
「うに〜〜」

その6 略さん

「えぃ!」
ココナが手にちからを入れると、巨大な電撃が放たれた。
モンスターは体をくねらせ苦しそうに体をうねらせる。
「危ない!」ココナは叫んだ。
しかし、触手はミリルの方に向い、ミリル目掛けて透明な液体放つ、モンスターは力尽きその場に横たわった。
モンスターのなかには小型の機械のようなものがはいっていた。
液体を浴びたミリルは気を失い仰向けになっている。
いつもより一回り、いや2回りは小さくなっているようにも見える。
バタッ・・・
力を使ったために疲れたのだろか。
ココナはその場に倒れた。
「作戦は成功だ、すぐに力の源を持ち帰る。あいつらはそのままでいいんだよな?」
男は携帯をしまうとモンスターから力の源を回収し本部へと向った。

ミリルは目をさました…
そこは先程の野原ではない、見慣れた家…

「んん…」
起き上がるミリル。
となりにはココナが寝ていた。
しかし、身のまわりのものがやけに大きく見える。
ミリルは疑問に思い鏡に目をやった。
「うそ…」
ミリルは目を疑った、鏡にうつっているのは子供。
確かにミリルではあるが間違い無く子供だ。
どうやらあの液体のせいで小さくなってしまったらしい。
ガチャ…
ドアがあき、ルティが入ってくる…
しかし、いつもの笑顔は無かった…

その7 ブチャルティさん

そのころココナはシリルにつきっきりでいた。
あの後ココナはすぐに目を覚ました。だが気づいた時にはそこに倒れる前に感じた気配はなく、
また倒れているミリルを放っておけないため、これ以上の捜索避け、戻ってきた。
シリルの方を見ると、最初は良くなかった顔色も今では大分戻ってきている。
これならば、たぶん大丈夫だろう。
そう思いながらすうすう寝ているシリルの顔を覗き込んでいると、シリルは突然目を覚ました。
「うにっ」
ココナはびっくりして、思わず顔を離す。何をするのでもないのに、なぜかどきどきしていた。
「くーちゃん…、お早う。」
シリルはぽけっとしながら、言った。
「えっと、シリルちゃん…大丈夫ですか?」
「みぃ?」
 質問の意味が良くわからない、といった感じだ。
見たところ特にしんどそうでもなく、どうやらもう心配ないらしい。
「あっ、大丈夫なら良いです。それにしてもこれからどうしたら良いんだろう?」
「どういうこと?」
事態がまったく読み込めていないシリルに、ココナは今まであったことをすべて話した。
今見につけている腕輪のこと、触手モンスターをやっつけてこと、そしてミリルのこと。
ミリルが気を失ったということを聴いた瞬間、シリルの顔が暗くなった。
「みーちゃん!」
シリルはベットから飛び起きると、まっすぐにミリルの部屋に向かった。
ココナはシリルを気遣いながらその横を走る。
起きてすぐ走って倒れはしないかと内心ひやひやしたが、シリルはしっかりとした足取りで、走っていた。
ミリルの部屋の前に着くと、
「みーちゃん!」
シリルは半ば泣きそうになりながら、ノックもせずにドアを開けた。が、すぐにその場で固まった。
ココナも一拍おいて、中に入り、シリルと同じ光景を見て固まる。
「もう大丈夫だってば!」
「だめよ、今起きたばっかりでしょ!」
ミリルのベットには見知らぬ少女がおり、そばにいるルティと口論していた。
その少女はなぜかぶかぶかの、しかも今日ミリルが来ていたはずの服を着ている。
「このくらいなんともないってば、すぐにあいつを追わないとシリルが…ってあれ?シリル?」
怒りのボルテージが上がり、少女が今にもルティに殴りそうな状態の時にこちらに気がついた。
「もう大丈夫なの?しんどくない?」
先ほどとは打って変わったやさしい口調で少女はシリルに尋ねる。どうやらこれは…
「みーちゃん?シリルなら大丈夫だよ。何でみーちゃんそんなにちっちゃいの?」
ココナがたどり着く前に、シリルはミリルに聞き返した。
「えっとねー、モンスターにやられた時にちっちゃくなっちゃったみたい。あはははは…
れで悪いけどシリルの服貸してくれないかな?今着るものが無くて…」
「うん、みーちゃんに合うかわいいのとって来るね。」
そう言うとシリルは自分の部屋に向かって駆け出していった。
「シリルちゃん、元気そうだね。」
シリルが駆け出していくのを見て、ルティはほっと肩をなでおろしながら言った。
「はい、見た感じとしては特に問題はなさそうでした。ミリルさんの方は…」
「さっきの見てたでしょ、ちっちゃくなってるけどまったく問題ないよ。」
ミリルはベットの上で、ガッツポーズを決める。
「そのようですね。」
先ほどの言い争いを見る分ではこちらも全く問題が無いようだ。
「でも、何とか元に戻る方法を考えなければいけませんね、シリルちゃんのほうも…」
「何か直せる呪文ってあったかなぁ。」
ココナとルティがあれこれ考えていると、
「うーん、シリルのほうは何とかしなきゃいけないけど、私は今のままでもいいよ。
この体格だったら電車とか、バスとか、お肉の食べ放題とか安いし、
なにより『見た目は子供、中身は大人』ってなんか面白いじゃん。」
ミリルが横から水を差す。
「面白くないってば。」
「え、そう?」
ルティとミリルがそんなやり取りをしていると、
「みーちゃんお待たせ、こんなのどうかな?」
シリルが自分の服を持って入ってきた。
「ありがとうシリル。」
ミリルはシリルが持ってきた服に早速着替えだした。
「みーちゃん、かわいい。」
ワンピース姿のミリルにシリルは感嘆の声を上げる。
ココナもいつもは見ることの無いミリルのスカート姿に
「本当ですね、まるで女の子みたいです。」
といった。
「いや、私一応女の子なんだけど。」
「うにっ、そういう意味じゃなくて、スカートを履くと女の子みたいだなって…」
「それフォローになってない。」
「プッ、」
「そこ笑わない!」
ココナとミリルのやり取りをみて、噴出したルティにミリルが口を尖らせる。
シリルもそんな三人がおかしいのかくすくすと笑っていた。
「まあでも、シリルちゃんの能力を取り戻さなくちゃね。」
「もしかしたら現場に手がかりが残ってるかもしれませんし、行って見ましょうか?」
「そうね、行こう、ココナ。」

その8 geitoさん

ココナ達はそう言うと、先ほどの草原へ向かった。

「全くミリルは意地はっちゃって」
ルティがそう思った直後だった。
バタン!!
突然何かが倒れる音がした。
「えっシリル!!」
振り向いた時、シリルは倒れていた、普段あるはずの力が無いため、本来よりか体力が落ちているのだ。
「みゅう………だっ……大丈夫…」
「疲れた顔して何言ってるの? とりあえず自分の部屋で休んでなさい」
「でっでもぉ」
シリル自身周りに心配掛けたくなかったのだ。 自分の力が無くなり、周りに迷惑が掛かると思ったからだ。
「ほらほら強がらない、ココナちゃんにも気を使わせて、少しは自分の状況も考えなさい。」
「みゅぅ・・・」
ルティはシリルの肩を貸して、シリルの部屋へと向かった。

一方、ココナ達の住む島だが人に知られて無い場所では
「例の力、回収しました。」
そういって男は、少々体付きの良い男に回収した力の源を渡した。
「ご苦労、……確かに我々と同じメタモルフォーゼの力だな」
「はい、総帥の申されていた通りでした。やはりここにも我々と同じ目に受けた者が…」
「いや、奴らは裏切り者だ、あのミリルとか言う女は一人あの組織から逃げて、人間達とぬくぬくと暮らしていたんだからな!!」
「そうでしたね」
「奴らに、メタモルフォーゼの力を持つ資格など無い!! 
 人間どもが我々メタモルフォーゼの力を持つ者に何をしてきたか、分かっているだろう!!」
「はい、承知しております。」
「ならば、この力を淫獣や魔獣どもに与えて強化させろ、そして町を襲い、人間どもに思い知らせるぞ」
「ははっ!! 仰せのままに!!」
男達は力を持つと、淫獣や魔獣の眠る研究施設へと入っていった。

その9 ブチャルティさん

シリルのことは気になったが、力を取り戻すこと以外できることが無かったため、シリルのことはルティに任せ、ミリルとココナは草原先ほどの草原に向かおうとしたところ、
「ココナ、ちょっと待って。行くならこれを持って行って。
何かあったときはこれを使って。すぐに駆けつけるから。」
ルティはココナを呼び止め、ビー玉サイズの魔法の玉を手渡した。
「後これも、昔電気使いの人が使ってた魔法の武器らしいの。」
そう言うとルティは布に包まれた二本のナイフを手渡した。
「ありがとうございます。これってどうやって使うんですか?」
「実は私も使い方がわからないんだけど、この前ココナが倒れた時、
このナイフが光ってたのよ。それでもしかしたらつかえるかも、って思って…」
ココナが聞くとルティは少し困った顔をしながら答えた。
だが魔法武器の中ではこれが一番ココナに使えそうなものだ。
魔法武器は持ち主を選び、武器に合った者以外にはその武器を使いこなすことは出来ない。
だがそのことに反比例して、魔法武器は他の武器にはない特殊能力を備えている。
もし使いこなすことが出来れば今のココナたちにとってはこれ異常ない戦力になる。
「ありがとうございます。じゃあ行って来ますね。シリルちゃんの事頼みますね。」
「うん、ココナも怪我しないでね。」
「大丈夫、ちゃんと私が守るから、それじゃあ行ってきます。」
最後にミリルがそう言い、ミリルとココナは草原へと向かっていった。

草原に着くと二人は先ほど倒れた場所に行った。そこにはもう何も無く、電撃で茶色くなっている雑草が焦げ臭いにおいを漂わせているだけだった。
「すぐに見つかるような手がかりはなしか、どうやら向こうはプロみたいね。しょうがない、
ココナ、私はこの辺調べるから、あっちのほう見てくれない…ってなにやってるの?」
ココナは目を閉じて深呼吸をしてをいた。ココナは鼻に意識を集中させると、ゆっくりと、だが大きく息を吸い込んだ。
倒れてからまだ、あまり時間が経っていない上、今日は風が弱い。何か手がかりになるような匂いが残っているかもしれない。
ココナは今でこそ人間の姿をしているが、もともとは犬だった。
そのため、普通の人はおろか、犬耳の亜人と比べてもその嗅覚がぬきんでている。
いつもなら嫌な匂いを吸わないよう深呼吸はしないのだが、今日は別だ。
まず最初に近くの草むらから焦げ臭いにおいがした。ココナはそのにおいに思わず顔をしかめたが、我慢して続けた。
親友が苦しんでいて、自分はそのために出来る力があるのに何もしないでいる、ココナはそんな事はどんなことがあってもしたくなかった。
だが、臭い匂いに混じって入ってくるのは混ざっていて、どれが手がかりなのかはさっぱりわからない。
せめて犯人の匂いを知っていれば、その匂いがあるかを探すだけでわかるのだが、それすらわからない状況ではお手上げだ。
あきらめかけたその時、さまざまなにおいに混じって、ココナの鼻に馴染み深い匂いがかすかだが飛び込んできた。これは…
──シリルちゃんの匂い?でも何でここに?
ミリルはここにいたがシリルはここにはこの場所にはいなかったはずだ。ならば何故ここにシリルの匂いがするのだろう?
しばらく考えた後ココナはある考えにたどり着いた。
「わかりました。シリルちゃんから力を奪った犯人はあっちに行きました。」
そういうとココナは匂いがする方向を指差した。その方向はいえとは全く違う方向だ。
「何でわかったの、ココナ?」
ミリルは怪訝そうに聞いた。
「かすかですけどこっちの方向からシリルちゃんの匂いがするんですよ。
でもシリルちゃんは最近も今日モンスターさんに襲われた時もこの場所にはいなかった。つまり…」
「つまり?」
「シリルちゃんの力にはかすかだけどシリルちゃんの匂いがついている。
そしてそれを追って行けば犯人さんにたどり着くって事です。」
「わかった、じゃあ早速行こう、多分向こうはこんなに早く私たちが来ることを予想していないはず。今ならいけるかもしれない。」
「はい、じゃあ私についてきてください。」
二人はかすかに残ったシリルの匂いのする方角へと向かった。

その10 かからさん

そのころ研究所では…
「いきます。コード145834…」
微かなカタカタといったキーボードを叩く音。
様々な機械の中、カプセルの中の緑色の液体には触手モンスター入っており、電極が取り付けられている。時折電極に取り付けられたチューブが膨らむ。そのたびに触手モンスターがふるえる。
「562398742134…数値すべて問題なし。では」
青いスイッチが押され、触手モンスターがビクンと震え、「作戦」が、開始された……

その11 geitoさん

「よし、受け入れ開始しろ!!」
「はっ、受け入れ開始!!」
カプセルの中に眠るモンスター達に力の注入が開始された。
「淫獣、2番、3番問題なし」
「1番は?」
「1番は力の回収で倒されましたから空ですが?」
「そうだったな、他には?」
「はい、下級と中級の魔獣も受け入れ成功、強化は成功です」
「そうか、ククク、あの町の警備どもの顔が目に浮かぶ…」
少々体付きの良い男は笑みをこぼした、その時だった
背後の扉が開く。
「ベアッド様!!何者かが、二人こちらに向かっております!!」
「何? 誰か分かるか?」
「一人は恐らく幼児化の液体を受けたミリルで、もう一人はそれの同行者かと思われます。」
「何?ミリルだと? フフフ、フハハハ」
「ベアッド様?」
「これは面白い、受け入れの完了した、中級魔獣を一人ミリル達に出せ」
「これは町を襲わせるための魔獣ですよ?」
「奴らは恐らく何らかの方法でこの力の情報を得た、ならその力を得た物を前に出して混乱させる、
力で引かれてるならそれで迷うはずだ、その隙に我らは残った力を持って本部へ離脱する、」
「了解しました、残りのモンスターは?」
「町を襲わせろ、指揮は…もう一度お前が行ってくれるか?」
「お任せ下さい、ベアッド様、私のジャッカルのメタモルフォーゼの力、町に住む人間どもに味合わせて見せましょう」
「頼むぞ、ガレット」
ガレットという男は、力を吸収した5匹のモンスターを連れてココナ達の近くの町へと向かった。
「アジトの電源を落とせ、魔獣を地上に配置後、本部へ戻るぞ」

その12 ブチャルティさん

「だいぶ暗くなってきたなあ…。ココナ、場所特定出来そう?」
「そうですね…。あっちのほうから匂ってくるんですけど、暗くてよく見えないです。」
「あっち?……あ、町のはずれに建物が見える。街中にいるはずは無いからきっとあそこかな。」
暗くてココナにはわからなかったが、犯人の居場所はわかった。早速乗り込もうと思った矢先
「それじゃあ犯人の場所もわかったし、今日はどこかに泊まって明日の朝乗り込むよ。」
ミリルに水を差された。
「な…今行かないんですか?」
「こう暗いとココナ何も見えないでしょ?それに長時間歩き続けて二人とも意気が上がってるし。」
「でも早くしないとシリルちゃんが…」
ミリルの言っていることはわかる。確かに自分は今、周りがほとんど見えないし、体もくたくただ。
「そんなのわかってるよ!」
なおも食い下がろうとするココナにミリルは声を荒げた。
「早くしないといけないことぐらいわかってる…。
でもくたくたのままいって失敗したらシリルはずっと助からないままなんだよ。
シリルだけじゃない。ルティちゃんたちもみんな不幸になる。
だから今は休んで明日万全な状態で行こう、ね。」
すぐに口調は元に戻ったが、右手がこぶしをつくったまま震えていた。それはココナだけでなく自分にも言い聞かせているようだった。
「……わかりました。とりあえず泊まる場所を探しましょう。」
そんなミリルにココナは何も言い返すことが出来なかった。

──ミリルさんはすごいです。本当はすぐに行きたいのに我慢して。それに比べて私は……。
薄暗い路地の中、ココナは先の会話について思いを巡らせていた。
ミリルは本当にすごいと思う。格闘術は使えるし、あせるような時でも冷静な判断をしている。
それに比べて自分は匂いで追跡が出来るぐらいで、魔法が使えても戦闘では何も出来ない。
実際反動で気絶して、ミリルもシリルも助けられなかった。もしかしたら私は誰も助けることが出来ないんじゃ…
「ココナ!」
そんな考えがよぎった時、突然ミリルに体当たりをされ、ココナは吹っ飛ばされる。
驚いて、ミリルのほうを見るとミリルが触手に捕まれていた。駆けつけようとした瞬間前方の暗闇から触手が飛び出す。
──今度こそ
「えい!」
ココナは集中して触手に電撃を浴びせる。触手は黒焦げになりその場で動かなくなるが、
「っ…。」
使った反動のせいか一瞬意識が遠のいた。そのうえ、
「!!」
暗闇から次々と触手が伸びてくる。戦闘経験の無いココナが捕まらずに戦えるかうのは不可能に近い。
「ココナ逃げて!さっき言ったことを覚えてるでしょう?」
それを裏付けるかのようにミリルの叫び声が聞こえた。ココナは顔をしかめる。
──私がボーっとしてたせいで今度はミリルちゃんが…。何か…何か打開策は……
触手が少しずつ近づいてくる。後ずさりをしながらそう考えていたその時、
『ココナちゃん、“テシス”を使うんだ!』
以前聞こえてきた声が再び聞こえてきた。だが、ココナには“テシス”が何かわからない。おろおろとしている間にも触手が少しずつ近づいてくる。
『ああもう、面倒くさい!左手借りるよ!』
そう言うと同時に左手、腕輪がついた方の腕が勝手に動き出した。その先にはルティにもらったナイフがあった。
「電気を流すから右手を“テシス”…えっと、ナイフに近づけて。」
左手は二本の内の片方、片刃で三日月形のナイフを掴むとココナにそう指示を出した。
ココナは言われたとおり“テシス”に手を近づける。近づけた瞬間電気が発生し、“テシス”に吸収される
。 “テシス”は真っ赤に輝き、その周囲の空気が揺らめく。さらにその光によって周りが照らされ、触手の本体がその姿を現す。
『あれが本体か、ココナちゃん、あそこまで一気に行ける?触手は僕が倒すから。』
ココナは一瞬躊躇したが、その言葉を信じて、触手に向かって駆け出した。
この事態を予想していなかった触手は一瞬動きが硬直した。その間にココナは一気に間合いを詰める。
間合いに入った瞬間、ひゅんひゅんという風の音と共に周りにあった触手がほぼ同時にばらばらになった。
左手が“テシス”で切り裂いたのだ。まるで自分の手じゃないみたいだ、とココナは思った。
触手はココナの接近を必死に阻もうとするが、そのほとんどはココナの速さについていけず、
何本かは接近できても、左手によって全て焼き切られる。ココナはあっという間に本体に近づいた。
左手は“テシス”を本体に突き刺す。その瞬間周りの触手がもだえ苦しむかのように暴れだした。
『やばっ、ココナちゃん、“フィシス”を使うからしばらく“テシス”を持っててくれない?』
声は特にあせった様子も無くココナに指示を出す。そして、左手はもう片方の、両刃で十字型のナイフを掴んだ。
後ろから触手が迫ってくる中、左手は動じることなく“フィシス”に電気を流し、突き刺した。
突き刺した瞬間全ての触手の動きが止まり、しばし痙攣した後その場に崩れ落ちた。
「はあ、はあ、やった…。」
ココナは緊張の糸が切れてその場にへなへなと座り込む。そんなココナを触手から抜け出たミリルが軽く小突いた。
「あれほど『逃げて!』っていったのに無視して…でも助かった、ありがとう。」
その言葉を聞いてココナは嬉しくなった。
──ミリルさんを助けることができた。これならきっとシリルちゃんも……
この時ココナはそう思った。

その13 geitoさん

しかし、その思いは、いとも簡単に崩された。
突然地面を擦る音が鳴り出したかと思うと、触手達が蘇り暗闇に引き摺られて行く。
それを見てココナは失望した。
――そっそんな、私がやったのは無意味だったんですか?
バラバラにした触手の根元も、暗闇に入ってゆく。
「どうなってるの?」
2人がそう思った時、触手が引っ張られた暗闇から何かが飛び出した。
暗闇に引き摺られてない触手もそれに引っ張られる。
それは、悪の組織達が足止めに放った魔獣だった。
そう、いままでの触手はこの魔獣の物だったのだ。
魔獣の背中には先ほどの触手がうにうにと動き回っている。
「こいつの触手だったわけね」
「うに〜〜どうなってるんですか〜〜!!」
「どうしたの?ココナ?」
「シリルさんの匂いが、このモンスターさんから匂って来るんです」
「えっ!?っと言うことは…」
「シリルさんの力はこいつが…」
二人は確信した。 力はこいつの中にあることを。
などと思ってる間に魔獣は切られた触手を直してしまった。
「なら倒して力を取り戻すまで!!」
ミリルは、魔獣に向かっていく、魔獣もやられまいと触手をミリルに向けるが…
当たらない、やがてミリルの拳が魔獣を捕えた。
「もういっちょ!!」
今度は蹴りを加える、触手を避けつつ次々と攻撃を繰り返した。
「これで!!」
最後の一撃で魔獣が倒れる。
「ちょろいもんね」
手を叩き、胸を張るミリル、
「すごいですミリルさん、私なんかまた…」
「気にしない、気にしない、ココナは無理に戦う事ないよ」
「でも、私は少しでも約に立ちた……」
「その気持ちだけで十分だよ。ってどうしたの? ココナ?」
ミリルはココナの方へ向かおうとした時、ココナは声を上げた
「ミリルさん危ない!! 後ろ!!」
「えっ!?」
あの触手が再びミリルを襲った、何とかギリギリで避けた。
同時に魔獣も起き上がっていた。それだけではない。
あの時、シリルの力を奪ったモンスター同様、傷が塞がっている。
「くっ、こいつも傷を治せるの!?」
ミリルは再び構えなおす、この時、魔獣から妙な感覚を感じた。
「何?これ?さっきのモンスターじゃないこの感覚は…」
再び触手がミリルに向かってきた。
「でも考えは同じみたいね!!」
スッと避けて再び魔獣の前に立つ
「喰らえ!!」
ミリルは拳を放つ しかし魔獣には当たらなかった。
それどころか、いつの間にかミリルの裏に回っている。
「くっこの」
素早く蹴りを放つ、しかし同じように交わされた。
何度も攻撃を繰り返すが、片っ端から交わされている。
「どうなってるの?まるで見切られてるみたいに当たらない…まさか…」
この魔獣はシリルの力、すなわちメタモルフォーゼの力を使ってる…
そう思った直後だった。
「うぐっ」
鈍い声が聞こえる。魔獣の拳がミリルを捕えたのだ、さらに、触手がミリルを打ち倒す。
ミリルは、自分の力を少し引き出して、再び立ち上がって攻撃するが、返り討ちにあうだけだった。
「なんで、なんでよ、どうして」
二度目の危機、負け続きのミリルにとっては泣きたくなるような気持ちだった。
幼児化したという理由もあるが、ミリルは、それだけではないように思えて仕方が無かった。
やがて動けないミリルに触手が伸びる、このままじゃこいつの餌にされる、ミリルでも分かった。
だが、分かっていても体の言う事が聞かず、動けないのだ。
「ミリルさん、どうすれば…あの声は聞こえないし…あっ」
ココナはポケットから魔法の玉を取り出し、強く祈った。
「お願いですご主人様、私達を…助けて」
祈ってる最中、かすかな声がまた聞こえた。
無理やり動かすような感じの声ではなく、変身する前に聞いたあの優しい声が…
『ココナ、力を望んで、望めばまたあの姿になれる。
……時間が無いの、私が何時喋れなくなるかわからない、だからこれだけは覚えて、
貴方の中に眠る力は、使い方次第で、救う事も滅ぼす事も出来る。
貴方が彼女を助けたいなら、力を…』
「ちから…」
祈る中ココナは迷った、もしご主人様が来なければ、そうするしかないのだろうかと…

一方ルティの家では
魔法の玉での助けをルティは感じ取った。
「ココナ? 待ってて、今行くから…」
ルティは昔使っていた魔法用具を手に取った。
そして、ココナ達を助けに行こうとしたその時だった。
「ルっルティさん!? 大変だ!! 町に化け物が!!」
「なんですって!!」
ルティにとっては最悪な状況だった。
ココナは助けを求めてる、町も危険、どっちを取るべきか迷っていた。
「ルティさん、頼むよ、このままじゃ町がやられる!!」
今の一言でルティはどちらにするかを決めた。いや、決めらされたと言うべきなのだろうか…
「貴方、まだ体力は持つ?戦える?」
「えっ?まっまあ、これでも自警団員ですし…」
「ならこれを持って、光ってるところへ行って」
そういって、丸い水晶を渡す。
中を見ると、水晶の中にこのあたりの地図と、地図のある場所に光りが浮いてる。
「この光りの位置でココナ達がが助けを求めてるの、貴方が助けに行って。
そして町の危機も知らせて!!」
「分かった、ココナ達は俺に任せてくれ。でもルティさんは町に向かってくれよ」
「分かってるわ」
ルティは町に向かう、向かう中、心の中で、ココナに何度も誤った。
(ごめんね、ココナ、助けにいけなくて、
でも、無事だって祈ってるからね、あの人が行くまで絶対に、死なないで)

その14 かからさん

そのころ…
完全に無傷に回復した怪物と二人は向き合っていた。
(…いったい…どうすれば……)
ミリルは考えを巡らせる。そして一つの決断をした。
「だあああぁぁぁぁぁ!!」
走る。
(こいつを倒してから一度ルティに相談しにいこう!全力!)
触手はミリルの攻撃を受けながら「攻撃」にうつる。
触手の先端が裂け、赤い種子をばらまき始める。まるで弾丸のように地面に突き刺さる。
「うわっ……ふにゃああああ!?」
埋め込まれた種子は一斉に発芽し、触手になってこれまた一斉にミリルにおそいかかる。
「ミリるさっ…あっ!」
がんっ!ズルズル…
とっさに駆け寄ったココナは
「うにぃ〜」
後頭部への衝撃で失神してしまった。
「い…いやああ!」
ブワアッ!
一人幼児化し、弱体化したミリルはそのまま触手の餌食になることになった…

その15 geitoさん

「離せ、離してよ」
魔獣の触手は両腕両足をとめてミリルを持ち上げてる状態である。
そして、地面から生えてる触手が、同じように両腕両足に巻きつき、そして魔獣の触手が離れる
触手どうしの受け渡しだ。
「離せ、はな・・・!?……やっ、やめて」
願いは叶わなかった。 魔獣は触手を器用に操り、服の中へ滑り込ませる、そして…
ビリビリ!!
破れる音と共に、シリルもらい物の服が下着もろとも破かれた。
魔獣は興奮しているのか、2本でミリルの胸を弄りまわす。
「ああ、やめ、やめてぇ…」
声も叶わず、攻め続ける、やがて一本の触手が秘部に当たる。 クチャリと嫌な音が聞こえる。
それを分かってか、魔獣は舌を出す、しかも見る見るうちに触手波の長さまで出てくる、舌は、秘部を舐め始めた。
「ひぃ、駄目、やめ、あぁ、いやあ」
さらに、器用に舌を秘部の奥へ進めた。
「ひぃ、いや、やめてぇ〜」
拒むミリル、声は拒絶と喘ぎが混じっている。その時だった。
「んぐっ」
魔獣は声がうるさかったのか、口に触手を入れ込む、ミリルはなんとか舌で外に出そうとするが・・・
なかなか出せず、ただ舐めてるだけになってしまっている。 やがて・・・
「ん〜〜」
口から液体が出る、ミリルにとって最悪な屈辱だった
魔獣は秘部に入れてる舌を出したり入れたりを繰り返す。
「んぐっ、んん、んむぅ〜〜むうぅんんぅ〜」
(はあぁ、駄目、やめて〜〜そこぉだめぇ〜)
いやと言うくらい感じるミリル、善がって逃げようとするが、抵抗空しく、魔獣の舌を受け入れていった。
魔獣は待ってましたとばかりに、胸を再度攻め始める。
「ん〜、んむぅ、むう、んむむうん〜〜〜」
(もう、駄目ぇ、イク、イッちゃう〜〜〜)
それを感じ取ったか、魔獣の舌も、勢いを早める、
「ん〜〜〜〜」
(あ〜〜〜〜)
絶叫、塞がれた、口は外され、舌をゆっくり抜かれる。 ゆっくりミリルから離れると、ミリルを抑えてた触手が離れ、地面に叩き付けられる。
魔獣は舌を戻し、ミリルから出た液をじっくり味わう。 やがてココナも目を覚ました。
「ミリルさん、これは・・・」
ココナも分かった、自分のせいだ、自分が、もっと早く力を発動させて、ミリルさんをフォローさせればこんな事には・・・。
魔獣は前進する、ミリルを踏みつけて終わらせるつもりだ。なにも出来ないココナ。
もう終わりと思ったその時だった。
突然黒いエネルギーが魔獣の頭を打つ、ひるんだ魔獣に、今度は地面に生える触手が赤い閃光で裂かれる。
そして、ミリルを担ぐとココナの前に置き。魔獣に振り返る。
魔獣はやってきた謎の人物に触手を放つが、片っ端から斬り裂かれ、そして、ココナと全く同じ電撃を放つ。
魔獣は電撃を受け、その場で倒れ、灰となって風に流れた。
焦げた匂いまで、あの時倒した触手のモンスターと同じだった。
「あっあの、ありがと・・」
ブン
礼を言おうとしたココナに赤い閃光を出す、鎌が首元に向けられる。
その姿はまるで、顔と体、目つきを除けば、ココナが魔法少女になる姿に似ているが、色違いを着ている。
「お前、それでも私と同じ力を持っているのか?」
「えっ?」
良く分からない言葉に、女性は再び話した。
「お前が力を拒めば、それは死に行く事だ。世界もな」
「うっうに」
「お前にはこの魔獣を倒す力がある、それを拒むなら、この事件に関わらないことだ」
鎌が退かれる、そして衝撃的な言葉を放った。
「お前がやらずとも、メタモルフォーゼを持つ種族は私が始末する」
「うに!?それどういうことですか!!」
「この魔獣を放ってるのは、メタモルフォーゼを持つ者の集団だ。 復讐者どものな」
ココナの言葉が詰まる。
「私はメタモルフォーゼを始末する。そこの娘も例外ではない」
女性は倒れたミリルを見る。
「何故?何故メタモルフォーゼをもつ人達を殺そうとするんです!!」
ココナは信じ切れなかった。この魔獣やシリルの力を奪ったのは、同族の反抗だったと言う事が。
しかし答えを聞くことは、出来なかった。
「おーい、大丈夫かぁ〜」
振り返ると自警団員がこちらに向かっている。
「貴方は、ミリルさんが」
「これは、酷い」
「速くミリルさんを手当てしないと」
「それがそうも行かないんだ、今、町が襲われてるんだ」
「えっ」
ココナは驚いた、シリルの匂いはこの魔獣から漂っていた。
っと言うことはココナは町から遠ざけるために誘導されていたのではないかと考えてしまっていた。
「急いで、戻らないと」
「ああ、ミリルは俺が担ぐ、急ごう」
「貴方は…」
ココナは女性に振り向く
「忘れるな、ココナ、お前が力を使わなければ、お前の住む町が破壊されるんだ。
嫌なら戦え、拒みは他人を滅ぼす」
そう言うと、飛び去ってしまった。
「急ごう、力がどうとか分からないけど、ルティさんも町にいるんだ」
「えっ、分かりました、急ぎましょう」
二人は、町へ向かう。
(ご主人様、無事でいて、もう怖がらない、ご主人様はココナが守る)
決心するココナだった。

焦げ死んだ魔獣からシリルの力がピンク色の光となって上がると、シリルのいる方へ向かっていった。

一方、町では火の手が上がっていた、その中、ココナ達と戦っていたのと同じ姿の魔獣にルティが戦いを挑み、
もう少しで倒せる所まで来ていた。
「これで、終わりよ」
光弾を魔獣に放つ、しかし当たる直前、上から降ってきた何かにはじかれた。
爆風の中、目の前に一人の男が現れた。
「お前は、自警団を相手しろ、こいつは俺がやる」
男はそう言うと、魔獣を退かせた。
「お前がこの町で一番強いみてぇだな?」
「何故逃がすの?貴方は何者なの?」
「フッ、俺の名はガレット、亜人種ですよ、メタモルフォーゼ持ちのね」
「メタモルフォーゼ? ミリルちゃんと同じ・・・」
「ハッ、人間と暮らしてる奴か、あんな奴と一緒にされちゃあ困るなぁ」
「何故こんな事を?」
「決まってる、破壊すんのよ、人間ってやつをさ」
「何故そんな事を、人間と亜人は仲良く暮らせてるのに」
「ふざけるな、人間が過去俺達に何をして来たか、分かってるのか」
「一体何を?」
「ハッ、歴史は風化するってか、いい気なもんだなぁ人間様よぉ」
「過去を根に持ったって仕方ないじゃない!!」
「うるせぇ、とにかく許せねぇんだよ、人間が!!」
「やるしか、ないの?」
ルティが構える
「ハッ、その気になったか」
そう言って、ガレットは両手に裂爪をはめ、構える。
「行くぜ」
ガレットはルティに向かっていった。

その16 かからさん

(速い!)
ルティは驚いた。
ガレットの速さは尋常ではなく、姿が見えた時には背後にいる。魔法で自らの脚力を限界まで上げ、スピードをあげても避けるので精一杯である。
「ははっ!なかなか避けるなぁ!」
(くっ、反撃する暇も無い!)
光弾を撃っても当たらない。かといって大魔法は町に被害がおよぶ。
(足の強化だってやり続ければ筋肉がズタズタになって、いつかは潰れてしまう…打つ手が無い!)
「まだまだ!魔導師なんか反撃の暇を与えなければ驚異にはならない!止め!」
ガレットの速さは更に上がり、避けきれずルティの服の端の方が裂けていく。そして…
ドッ!
「がっ…」
ルティがバランスを崩した隙にガレットは肘でルティの延髄を叩く。ぐらりとルティの体は地に伏せた。
(あ…町を…守…らない…と……コ……コ…な…)
意識が途絶え、ルティは捕まってしまった…。

その17 せいばーさん

目を覚ますと目の前に格子が見えた、手足の自由が利かない
どうやら牢屋に入れられさらに拘束されているようだった
しかも服は無く下着だけとなっていた
「いい気味だなぁ、オイ。」とガレットの声、そう言うと牢屋の中に入ってきた
「この鎖を外せ!」それを聞いたガレットは大声で笑う
「ハハハハ!正気か?そんな事言われて鎖外す馬鹿がいるかよ!?それにお前には色々とやってもらうことがあるんでなぁ。」
「やってもらうこと・・?なにをする気?」
「お前に知る権利は無い。」
そう言うとガレットは小さい注射器を取り出した
それをルティの体に注入した
「痛っ!・・・ん?」
急に体が熱くなった、それとともに意識が朦朧としてくる
「・・・?」
「どうだ?体が熱いだろう?ククク・・・さぁショーの始まりだ・・。」
足元の床がゆっくりと開いてゆく中からは長く無数の触手が伸びてきた
ルティの華奢な体に無数の不気味な触手が近づいてくる
「い・・や・・・来ない・・で」ルティはその火照った体で必死にもがこうとするが手足を縛っているロープがそれを許さない
そんなことをしている内に触手が体に巻きついてくる
ルティの抵抗空しくそれはゆっくりと下着の中に入り込みルティの胸と秘所を犯していく
「んっ・・止めっ・・んぁ!」全身に触手の側面に付いている液体を体中に塗りたくられる中、無数触手の内一本がルティの顔の前に現れる、すると触手の先端が大きく開いた
「その触手は俺の部下の特別製でな、その穴から出る液体は高純度の媚薬となり得る、触れると神経に作用して全身の感覚が研ぎ澄まされる、そいつの側面に付いてる液も媚薬効果が有るが十分の一の効果しかないがな・・って聞いちゃいないか。」
ルティはもう既に全身から送られてくる快楽に耐えるのに必死だった「んあぁ!くうっ・・あっ」ガレットは笑いながら言った
「まぁいい俺は用が有るからこの場を離れるが・・次会う時どうなってるか楽しみだな・・・ククク精々耐えてくれよ
すぐ壊れたら面白くないからな」
そう言うとガレットは階段を上がり去っていった
「あっ・・くそ・・待て」
触手はガレットが去ると同時に責めの激しさを増した
くちゅくちゅと卑猥な音を上げながら触手はルティの乳首と膣を貪るように弄り回す、次の瞬間ついに触手が膣の中へと侵入した
「止めてぇ!そんなの入らなっんあぁぁ!」
中で触手が暴れまわる触手は子宮までも犯していった
「あぁ!くっ・・・」
中の触手がビクンッと唸る
ドクドクと波打つように大量の液体が膣内と子宮をうめ尽くした
「んあぁぁ!」
液体をすべて出し切ると触手はゆっくりと膣から出てきた
白い液体がドロリと流れ出る、ルティは気を失ってしまった
しかし本当の恐怖はまだこれからだった

その18 geitoさん

「ううっ」
気を失って数分、ルティは目を覚ました。
そこは変わらず牢屋の中、触手達もまだ残っていた。
しかし、ルティ自身も、先ほどの責めで精神的にかなり参ってはいる。
「せめて、触手を操っている主を探してそれを倒せば・・・!?」
目覚めなければ良かった。ルティは心の中でそう思った。
触手の撒いた媚薬は効果永続なのか、再び全身が疼きだす。
「やっやばい、このままだと」
体が震える、その反応に気付いたのか、触手達が舞い戻ってきた。
「いっいや・・・いやーーーー」
再び犯し始める触手だった。

そのころ、ガレットは本部に連絡を取るため、組織の上司達が電源を落としたアジトにいた。
「通信繋がったか?」
「はい、何時でも繋げます。」
「よし、本部に繋げろ」
数分後、機械の一部のスクリーンにベアッドが映し出された。
「ガレットか落とした筈のアジトから通信が入ったから誰かと思った」
「よぉ、作戦通り、町を襲撃してきた」
「ご苦労だった」
「あぁ・・・レイスにもあわせてくれないか? アイツにも報告がしたい」
「あぁ、待っていろ」
ベアッドがスクリーンから消えると次に銀髪で長い髪を靡かせ、背中に鳥のような翼を生やした、青年がスクリーンに現れた。
「ご苦労様です、ガレット」
「あぁ、ありがとう、もう少しで、俺達の復讐が達成される」
「ええ、彼等に付いて正解でした。ここまで人間達を痛めつけられたのですから」
「奴等は人間なのに、俺らの気持ちを理解しやがった。まるで敵わなかった俺らに復讐の手助けまでさせてくれやがる」
どうやら彼等の背後にはさらに大きな組織がいるようだ。
「・・・ところで、ミリルは捕らえましたか?」
話題を変えようとしたのか、ミリルについて聞き出した。
「残念だが、あの町にはいなかった」
「・・・必ず見つけ出してください、彼女は私達にとって恨みある人物なのですから」
「分かっている、そのためにも、奥の手もある」
「・・・あまり無茶はしないで下さい、これ以上、同族を失いたくありません」
そういうとレイスと名乗る青年は誰かに呼ばれたのかスクリーンから消えてしまった。
そして、再びベアットがスクリーンに現れた。
「お前の言う奥の手とは?」
「あぁ、気の強ぇ女を捕らえた、そいつを利用しようと思ってな」
「無茶だけはするなよ、人間をなめればお前が死ぬんだ」
そう言ってスクリーンが切れた。
「おい、何で切れんだ!!」
「待ってください、再度繋ぎなおします」
「チッ、あの女の様子を見てくる、あいつが今のところ丁度いい憂さ晴らしだ」

一方ココナは、変わり果てた町を見て呆然と立ち尽くしていた。
ミリルを自警団の人に頼んでルティの家に送ってもらいココナ一人で町にやってきたのだが、
焼け焦げた臭いと、人々が流した血の臭いが一緒にココナの鼻を潰した。
ココナは近くに人が倒れているのを見て、急いで向った。
「大丈夫ですか?」
幸い息はあるらしく、ココナを見つめる、だが・・・
「くっ来るな、来るな亜人に化けた化け物!!」
「うにっ!?」
突然手を振り払うと、そのまま後ずさる。
あまりに突然な事でココナも驚きを隠せない。
「一体何が・・・」
他の人も、皆ココナを悲しい目で見ている。 そのときだった。
「そっそこに、いるのは・・・ココナちゃん・・・か?」
声の主は自警団の隊長らしき人物だった。
「しっかりしてください、一体何があったんですか?」
「あ、亜人の・・・襲撃を受けた、化け物を撒き散らし、亜人は自由自在に体を動物になったり、人間になったりした」
まるでココナやミリルが隠し持っている力と同じように思えた。
「ご主人様は?」
「ご主人様? あぁ、ルティさんか、すまない、俺が気絶したころには姿がなかった」
「そっそんな」
「ココナちゃん、悪いがこの町にいない方が良い、
信用して共に生きてきた亜人の急な襲撃で町の人達が混乱している、君がここにいると言う事は、町の人たちを脅えさせる事にしかならない」
衝撃的な言葉だった、自分が信用されない、人間と亜人に亀裂が走る、そんな感じにさせていった。
ココナは町を離れ、切り株に座っていた。
『ココナ』
不意に腕輪がココナに声を上げた
「うに、またこの声、でも何処から」
『腕輪だよ、僕は腕輪の中にいる精霊』
「えっじゃあ、今まで電気が使えるのを教えてくれたのは」
『そう、僕だよ、どうして君は友達や町がこうも襲われているのに黙っていられるの?』
痛いところを突かれて黙ってしまうココナ
『悪気があって言っているんじゃないんだ、でも今君が頑張らないとこの世界は、邪悪なる力を持った奴等に支配されちゃうよ』
「そんなの」
『嘘だと思う?じゃあ何で亜人が町を襲ったのかな?』
「そっそれは」
偶然・・・なんて言えなかった、言えば奪われたシリルの力や、ミリルの幼児化も、偶然で片付いてしまうからだ。
「でも、私はどうしたら」
『なら、君のご主人様を助けないと、奴等に連れてかれたとすれば、とんでもない事になっていると思うよ』
「でも何処にいるか分からないのですよ」
『君の持っている、ご主人様の持ち物を腕輪に近づけて、気配で大体何処にいるか分かるから。でも、助けに行くなら自分の力を信じなきゃ駄目だ』
「何でこの力が私を選んだのですか?」
『その話は君のご主人様を助けてからだよ、ほら、行くの行かないの』
「分かりました、丁度ご主人様から貰った玉があります。場所が分かり次第、変身して向いましょう」
『よし来た』

その19 トロワさん

亜人種の襲撃、人々の反応、謎の少女とその残した言葉、あまりにも膨大な問題が一気に降りかかったことは、ココナは理解していたつもりだった。
否、あまりにも事態が急迫だったために脳が「理解したつもり」になっていただけかもしれない。
それでも、それでも彼女は答えを出すために、歩き出すしかないのだろう。

ココナは先ほどの切り株のあった場所からしばらく歩き、もうすでに郊外とも呼べるほどの場所まで来ていた。
辺りに建物は無く颯然としており、平原と呼称する以外は例えようがない風景だ。
「うに〜、それにしてもどうしたら…」
そんな場所まで歩いてきたはいいものの、肝心の敵の居場所がわからなければ意味が無い。ましてや闇雲に歩くのはおおいに無駄である。
『だったらさあ、そのビー玉みたいなの使って君のご主人様の場所を特定できないかな?』
「え?これ…ですか?」
『うん、コレでなんとかできるかなぁ〜と思ってさ。』
何かあった時はすぐに駆けつけるから、そうルティが言って渡してくれた魔法の玉。精霊は、ルティが玉からの反応を感知できるのならば、逆に彼女の意識を玉に投影できるのではないのかとココナに言った。
しかし二項定理よろしく、A→BからB→Aといくのかはわからない。公式はアンイコールも成り立つ可能性があるからだ。
本当に成功するかは無きにしも非ず、ということは2人とも重々承知であった。でも、今はコレにいちかばちかの賭るしかないのだから、そんなことも言っていられない。やるしかないのだ。
「はい、やってみます。みんなと…ご主人様のために。」
『その意気だよ、頑張って。』
あとは彼女に任せるしかない。彼女と、彼女の主人との心の繋がりに。
「ご主人様…ご主人様…いったいどこに…」
ココナは献身的に祈った。ただひたすらに、目の内に映る大切な人のために。

その時、魔法の玉が祈りに反応したか、アザレアピンクとも思える鮮やかな閃光をはじき出した。
例えれば、どこか物悲しい雰囲気の淡い色の光。でもどこか暖かい感じもとれる光。
「うにっ!?なななななんですか一体!!」
『落ち着いて、玉が反応してるんだよ。もしかしたら…成功かな?』
「そっ…それにしても…なんか…わぁっ!?」
一瞬だけだが閃光が激しくなり、すぐに消えた。すると、玉から声が聞こえてきたのだ。息も絶え絶えの、疲れきった声が。
"はぁ…はぁ…"
いつも聞いている、大好きなあの人の声。ココナはソレを聞き逃さなかった。
「ご主人様!大丈夫ですかご主人様?!」
"え…ココナ?ココナなの…?"
『おぉ、ホントに出来た』
自らの策の成功に驚く精霊はともかくとして。何かがあった、という様子はココナも容易に感じとれた。
どんなことになっているかはわからないが、ルティは危険なのだと。だからできるだけ彼女を心配させないよう、平常心を保ちながら話そうとしたのだ。
「あ、あのご主人様…大丈夫ですか?」
"えぇ、一応大丈夫よ。今は私の脳から玉に直接声を送ってるんだけど…よく使い方わかったね?"
「はい、なんか使えちゃいました…」
"…ってことは、このアジトには障壁が無いのね。"
曰く、玉の《使用者(術者)》と《所有者(保持者)》は、魔力開放により擬似的な無線交信が可能らしい。
構造は特殊なのだが、魔法障壁等が無い限りはほぼ確実な意思疎通ができ、あまつさえ双方の気持ちの結びつきが強ければ、より正確な無線もできるのだという。もちろん、脳内からの直接交信以外にも、外部の声は雑音も多少なりとも聞こえるらしいのだが。
「ご主人様、すぐに助けに行きますからね!」
"ココナ…うん、でも無理しないでね"
双方の状況もわかり、決して安心では無いものの、2人(と精霊)は安堵の息をもらす。
しかし、そんな折であった。

"まだ精神が保っていたのか、人間風情が。"

玉の向こう、ルティ側から謎の声が聞こえてきたのだ。いやに癪に障る青年のような声が。
「誰がいるんですか?!」
"なっ、この声は…"


…………Rutee Side…………

"なっ、この声は…"
交信した直後から先ほどの触手の姿は無かった。魔力を吸収して床下に戻ったか、はたまた遊び道具が飽きたか、その理由はわからない。
しかしココナと話したことによって、少なからず元気だけは本調子に戻りつつあった。ヤツの声が介入する前までは。
「ようやくお目覚めときたか。ショーは楽しめたかい?クソ人間さんよぉ」
石牢の、通路部分のスピーカーだろうか。先刻に彼女を陵辱した忌々しい男の声、その声のみが牢に響く。
「あんたは…ガレット!どこにいるの、姿を見せなさい!」
「気安く名前呼ぶんじゃねぇよクズ。ウチらの総帥がアンタと話がしてぇんだとよ。ったく何考えてんだかあの人は…」
うすら機嫌悪そうにグチをこぼすガレット。もう少し何かグチろうとしていたようだが、背後からの「聞こえているぞ、ガレット」という声に「へいへい、わーったよベアッド」と呼応すると同時に音が遠のいた。どうやらマイクから離れたようだ。するとまた別な、渋めの声が響く。
「少し会話を聞かせてもらった。貴様は…ルティ・チャーフルだな。」
先ほどの会話から察するに、彼かベアッドなる人物だろうか。ルティはそんなことを考えつつ答えた。
「それが?」
「ふん、<天から舞い降りた英雄>様か。笑わせるわ。」
<天から舞い降りた英雄>…それは、去る魔族との大戦時に呼ばれていた二つ名。かつてミリル達と旅した、あの頃の名。
世界が平和となってからはその名は呼ばれなくなったため、そのように比喩されたのは久しい。だが懐かしがっている暇もなかった。
「貴様がヤツらを壊滅させるまで、我々は死を超えるほどの辛さを味わったのだぞ…」
「え?」
自分達は救われなかった、と自虐げに揶揄する男。一瞬何のことを言っているのかわからなかった。
「この世に悪があるとすれば、それはやはり人の心なのかもしれないな…」
ルティに聞こえないほどの小さな声でつぶやき、やがてきびすを返すように言い放つ。
「貴様も知っているだろう?我々のような亜人種の扱いを。あの忌々しい『機関』の存在を。」
ベアッドと呼ばれる男は、静かに語り出す。自らの足跡を。そして世界の片隅かのら始まる、彼らの反逆を。

この世界には亜人種を研究する『機関』という謎の組織が存在する。いわゆる裏の世界の組織だ。
『機関』は所有する私的軍隊を駆使し、各地に居住する亜人種を捕らえては研究の対象にしている。
もちろん研究の目的は《亜人の持つメタモルフォーゼ能力》だ。魔法科学では解明の仕様がない、ヒト非ざる者の持つ魅力的で摩訶不思議な能力。
非合法な手段で捕らえ、以降は被験体に負担のかかるような生体実験の繰り返し。よい結果の出なかった者は廃棄される。

ルティたちはかつて『機関』とも戦った記憶がある。もっとも、『機関』が壊滅したのは彼女たちの力あったからこそなのだが。
そういえばミリルも、かつて『機関』から逃げてきたようなことを言っていた。もう随分前の話になる。
人間の姿になった直後のココナからも、似たような話を言っていた気がする。彼女の場合はミリルと状況が違ったことから、廃棄寸前だったのではないかと感じた。

ベアッドはある日偶然、実験場から脱走できたという。そして彼は同じ被験体たちを脱走させた後システムを暴走させ、彼らのいた『機関』の第三研究所を破壊。
以後は脱走した数十の亜人種に今日のレジスタンス活動の計画を立ててきたという。

その名称は「ロ・キァ・ディモス」。古代語で「裁かれる世界」という意味を持つ。


「…」
思わず口ごもるルティ。反論など出来なかった。
彼らが今このような行いに走っているのは、彼らの自由奪った、彼らの尊厳を奪った、彼らの意味を奪った自分達ヒトの責任だからだ。
「わかるか?!貴様らにとって我々など所詮ラット!マウス!モルモット!!ヒトの姿をした動物としか見ていないのだ!!!」
『機関』が欲しかったのは彼らではない。彼らの持つメタモルフォーゼ能力なのだ。そのまま彼は話を続けた。
「だから今度は我々が抗う番だ…これからは亜人がヒトを使役するのだ!!」
「なんですって!?」
ベアッドが語る理想、それは壮大で狂気じみた思想。実に偏執的な目標。
「幸い貴様には『機関』を壊滅させた恩がある、少しは優遇してやるよ。さぁこれからは我々が世界を変えるのだ!ははははは……はーーはっはっはっはっは!」
パラノイアたちの暴走は、もう誰にも止める事はできない。大袈裟すぎる笑いを残し、声は遠ざかっていった。

そして次に聞こえた声はガレットのものだった。
「さぁ大事なお話しもおわったことだ、ショーの再開といくかい?」
間も無く床が開き、奇怪な触手たちが狂喜乱舞する姿が視界に入る。また犯す気なのだろう。
「えっ…」
「今度はジャマは入んねぇぜ。せいぜいゆっくり楽しみな!」
ブッ、と音声が途絶え、同時にせり上がる床下。
彼女に待つのは再びの悪夢。営繭の如き、あるいは永劫にも似た快楽と辱め。
「嘘…嘘っ!いや、やめて!いやぁぁぁぁぁ!!」


…………Cocona Side…………

"嘘…嘘っ!いや、やめて!いやぁぁぁぁぁ!!"
「ご主人様!ごしゅじさまぁぁぁ!」
ルティの叫びとともに、向こうからの音は聞こえなくなった。彼女が動揺して回路が遮断されたのだろうか。どちらにせよわからない。
それよりもココナはルティの現在の状況に冷静さを失い、すっかり泣きそうになっていた。
いやそれ以外にも、同族が恐ろしい計画を行っていることに対して大きなショックを受けていたのだ。
『ちょっとココナちゃん落ち着いて。』
「でも…でもぉ…」
対岸との通信手段はなくなり、捜索は振り出しに戻ってしまった。もはや何も手は無いのか。
ココナは既に放心状態に近く、精霊は暫時黙ってしまった。

と、そんな時。周辺の空気が変化したことに精霊はいち早く気づいた。ヒトにはわからない音で腕輪が共鳴したのだ。
自らがココナに与えた力にも似るがそれに非ず。例えれば陰と陽、密と虚、天と冥。一瞬で理解できる対極の力。
先ほどの触手との戦闘の時もそうだったが、どこかで感じたことのある気。
『ココナちゃん後ろ!!』
「うにっ?」
放心から我に返り、ふと背後を振り向くココナ。
背後にいたのは、先ほどであった魔法少女のような姿をした女性。体躯に似つかぬ大鎌が何よりの目印となった。
「ふっ…やはりお前はその程度だったかココナ。失望したぞ。」
「あ、あなたはさっきの…」
ココナが言い切る前に、彼女はこちらに目を向ける。
それは冷たい氷のような目。獲物を見据えるトラの目だ。
そして何かをボソッとつぶやくと、ココナにむかって大鎌の刃先を向ける。
「な…何ですか…」
「力も使えず、この場で手をこまねくか!その能力を活用の仕方すら考えられない頭なのか!」
対峙しながらそんな言葉をはき捨てる。話しているうちに、言葉一つ一つに力が入ってくるのがわかった。

「…やはり、所詮は単なる亜人か!お前もヒトの皮を被ったただの傀儡か!!」
風の過ぎ行く平原に響く怒号。彼女の冷徹な瞳に、悲哀と憎しみを帯びた朱色の炎が見えた気がした。

その20 せいばーさん

あれからどれくらい時間がたっただろうか、今は触手の責めが止んでおり少し体も落ち着いてきた、もう時間の感覚は無かったがおそらく1時間も経ってないだろう、するとギィ・・と言う音と共に扉が開いた
「ガレット・・」ルティは意識が朦朧としながら怒りを込めて言う
「よお、さっきの感想を聞かせてくれねぇか?」
「ええ、とても気持ち悪かったわ」
「ククッそれにしちゃアソコ濡らしまくってるようがな」
ガレットは指でルティの秘所をそっと撫でる
「あっ・・」
薬の影響かそれともルティが本当に感じてしまっているのか分からなかったがルティは前者であると願いたかった
「フンッ体は正直だな?それと良いモノ持ってきてやったぜ」
そう言うとガレットはポケットから赤い液体が入った瓶をルティに見せる、ルティに先程の薬の記憶が蘇る
「・・・!」
「この薬が見えるか?さっきの薬は少し感度が良くなるだけだがこいつはさっきのとは比べモンにならないぜ、こいつは全身の神経を針みたいに尖らせるんだ、ちょっと前に別の奴を虐めた時これをそいつに打ったら凄くってよぉマジ笑えたぜぇ、小便みたいに涎とエロい汁垂れ流してよ、触手の責めによがってたぜぇククッ、・・そうだ、そいつがどうなったか教えてやるよ」
分かりきったことだった、言って欲しくなかった、自分がどうなるのか知りたくなかった、しかしガレットは笑いながら言う
「そいつなぁ、最後は壊れちまったよw今は何所にいるか知らねぇが多分今頃フッカー(娼婦)でもやってんじゃねぇか?」
そう言うとガレットはルティの腕にその薬を入れた注射器を刺す
「いやっ!やめて!・・痛っ!」
体が先程以上に熱くなる、体の底から何かが湧き上がってくるのが分かる
「もうひとつ俺からプレゼントだ」
ガレットは目隠しをルティに着ける
「うっ・・」
ガレットの指先が少し触れるだけで感じてしまう
しかも先程の触手の影響だってあるのだルティの体は悲鳴を上げていた
「じゃあな、せいぜい楽しんでくれよ」
そう言うとガレットは部屋から出て行った、それと同時に先程の3倍はいようかとゆう触手がルティに迫る、しかしどうゆう意図かは理解出来なかったがルティを拘束していた鎖が外れる
「!!いまだ!」
ルティは逃げようとする、しかしそれより早く触手が体に巻きつく
「くっ・・あっあああああ!」
触手が体に触れると今まで感じたことも無いような快楽が全身を襲う
「くっ・・負けない・・・絶対に負けなっんぁぁぁあ!!」
ルティはじわじわと堕ちてゆく

その21 geitoさん

「ひゃ〜ハハハ そろそろ限界だなぁ」
ルティの精神が何時、淫乱に染まるかモニター越しで楽しみにしていた、その時だった。
「がっガレットさん・・・」
不意にガレットに声を掛けるものが現れた。
「何だ?・・・お前!! どうした!?・・・!?」
声を掛けられた方を見た瞬間、急にガレットの笑みが消えた。
それもそのはず、報告した本人は何者かに小型の刃物で切られ、出血している痕跡があったからだ。
報告した兵は命に別状は無いが、何処かしらマヒしているようで動きがぎこちない。
「しっ侵入者が・・・現れました・・・」
笑いの勢いがさらに冷めるガレット
「なっなんだと!? 直にモニターを出せ!!」
兵達がコンピューターを動かし、モニターを映し出す。
そこには稲妻らしき力で全身をマヒされ倒れた仲間達が映し出されていた。
そして次のスクリーンに出たのは、白いふんわりとした服に身を纏い2本の短剣で相手を次々と倒していく人影があった。
「こっこれは・・・」
他の兵達もスクリーンに見とれていた。
何故なら次々と倒している相手は犬耳の亜人だったからだ
「そっ総員戦闘準備!!あの亜人を止めろ!!」
慌てて数人の兵が、剣や銃を持って行く。
「チッ、何故アイツと同じ力を持っている奴がいるんだ、あの赤い奴と!?」

『次、来るよ、ココナちゃん!!』
進入した少女は、腕輪の声に反応し、短剣から稲妻を放ち、時には致命傷を外しつつ、兵を切りつけた。
『大丈夫?ココナちゃん?』
「はい、大丈夫です、だいぶテシスとフィシスの扱いも慣れてきました」
侵入者の正体は魔法少女の姿をしたココナだった、それも、先ほどまでの迷いは消えており、今は何かを助けたい、その意志だけが感じられた。
「でも、ご主人様の連絡が消えてから随分たっています、早く探さないと・・・」
何故、彼女がここまで戦えるようになったのか、それは先ほどの魔法少女の姿をした女性の出会いがココナを変えたのだった。

「・・・・・・お前もヒトの皮を被ったただの傀儡か!!」
風の過ぎ行く平原に響く怒号。彼女の冷徹な瞳に、悲哀と憎しみを帯びた朱色の炎が見えた。
「何で・・・」
ゆっくりココナの口が開いた。
「何で私達なんですか!?私達はただ静かに平和に暮らしていたい、それだけなのに・・・」
その言葉を聞いた女性は、大鎌を振り上げ、斜めに斬った、その瞬間、赤い刃の形をした閃光がココナの顔すれすれを掠めた。
「甘ったれるな!!例えお前がそれを望んでいても、それを壊すものが必ず現れる!!それを阻止するために貴様はその力を得たのだろう!!」
「私はこんな力ほしくなんかありません!!彼等を倒すなら貴方がすれば良いじゃないですか!!」
ついにココナの中にあったものが爆発した。
何故自分が戦わなければならない、何故ルティが連れてかれなければならない
自分が何か悪い事をしただろうか、ただでさえ今の現状についていけない状況にさらに戦いを要求する彼女
ココナの中はもはや滅茶苦茶になっていた。
その怒りさに、魔法少女の姿をした女性は、ココナに平手打ちを放った。
「痛いです!?」
「痛いか?その痛みと今連れてかれている貴様の主人を比べろ、苦しい思いをしているのはお前だけじゃないんだぞ!!」
「!?」
「うぬぼれるな!!私一人で出来る事ならとっくにやっている!!貴様にもこの力があったらお前一人で何もかも出来るとでも言うのか!!
 一人では何も出来ぬ貴様が・・・力すら操る事の出来ぬ貴様が!!」
響く怒号、さらに追い討ちを掛けるかのように女性は言い放つ。
「まだお前は、私を失望させるのか!?」
何故かこの声には強さがなかった、ココナがゆっくり顔を上げるとそこには怒りの顔ではなく、今にも涙が流れそうな顔だった。
その様子をココナはただただ、黙っているしかなかった、その時だった。
『もう止めなよ、暁の魔女』
不意に腕輪にる精霊が声を上げた。
彼女に伝わっているのか、と言う疑問が上がったココナだが、暁の魔女と呼ばれた彼女はその声に驚きを見せず普通に対応した。
「まさか、お前が宿主とは・・・」
腕輪の中にいる精霊に納得する女性。
『確かに彼女にとってこの力は、望んで得た力じゃない、危機を察した女神も、彼女にこの力を託したのは彼女が危険だったからなんだ』
腕輪の精霊は彼女に宿った時の話をする、ココナの友が魔淫獣に襲われ、ココナもやられそうになった時、ココナを救わないと悲しむ人がいるからと
だから、宿主は彼女を選ばざるを得なかったと。
「なるほどな」
少し納得した暁の魔女と呼ばれた女性
『今、彼女は彼女の主人を救おうとしている、僕はその戦いで今の現状を1本に繋ぎ止めたいんだ』
腕輪の精霊は、今起きている出来事、何故自分が彼女に憑いたのかを教えるために、この戦いを意味ある戦いにしようとしていたのだ。
「だが、これでは、死にに行くようなものだ、ん?」
暁の魔女はココナに2本の短剣があることに気付いた。
「それは・・・本性、性質の魔具か?」
「えっ?」
魔女がさしたのはテシス、フィシスだった。
ココナはこの2本の短剣を簡単に説明した。その説明に魔女はそれを生かせねばと思い魔具の扱いを説明した
「その魔具は私達の力を流し込めば後は情に寄って放てる武器だ、私のもつこのフォビアのように」
フォビア、それは恐怖症という意味だった。
その赤き鎌を見た者は、誰もが恐怖症として残ってしまう程の威圧からこの名が付いたと言うことらしい
ココナはその短剣の扱いについて大体を教わり。奴等のアジトとしている場所を教わった。
そこは前に、ミリルと共に向おうとしていた明かりのある建物だった。
暁の魔女はココナの代わりに町を守るといって去ろうとしたが・・・再び口を開いた。
「前にも言ったが、もう一度言っておく、お前が力を使わなければ・・・いや、戦わなければお前のお前の住む町が破壊されるんだ。そして、拒みは他人を滅ぼす」
この言葉をココナはついに理解した。
今、自分が出来るのは誰かに助けを求める事じゃない、自分が魔法少女となりて、自分の身近な人を救う事なのだと・・・

アジト内を散策しているときにココナの顔が少し悲しくなった。
『まだ、アイツの言った事気にしている?』
暁の魔女との会話の件でココナを心配する精霊
成り行きとは言え、戦いを望んでいない少女と制約してしまい、あんな言われ方だ、心にしているかと思ったが
ココナは えっ?とした顔をしながら
「大丈夫です、むしろ私に戦う気持ちを作らせてくれたことに感謝です」
その顔には何かもう一つの理由があるように見えた。
「それに、何故、亜人達がこのような戦いをするのかを聞かないと、もしかしたら止める方法があるかもしれません」
亜人達を倒しながら一歩ずつ歩み進むココナだった。

その22 せいばーさん

くちゃ・・くちゅ・・ぬちゃ・・
「あっ・・くぅ・・ああ!あぁぁぁぁ!」
薄暗い部屋の中に卑猥な音と共にルティの喘ぎ声が響く
ルティは精神・肉体共に限界だった
普通なら発狂してしまう程の薬を投与され全身の神経が針の様に尖っているというのに触手から分泌される催淫効果抜群の粘液により触手が皮膚に触れるだけで感じてしまう
逃げ出せない状況ではない、しかし、仮に触手の束縛から逃れたとしても体の状態が尋常ではないので走るどころか歩くことさえ儘ならないだろう
それにルティにはそんなことを考える余裕など微塵も無かった、触手の終わりの見えない責めに耐えることしか出来なかった
今のルティに出来ることは一つだけ
「絶対にチャンスはある・・!」そう信じてこの快楽地獄に耐えること

〜ガレットサイド〜

「クソッ・・奴は今何所にいる!」
「現在Aー21通路にて第零参部隊と交戦中!」
「チッ、調子に乗りやがって・・もういい!俺が出る!」
「了解しました、第零参部隊へ!これよりガレット隊長が戦闘に加わります!」
「ザザッ・・了解!後どの位で隊ちょ『うりゃ!』ぐぁ!」
ブツッザーーーー
「・・・第零参部隊全滅しました」
「ブチッ」
(ブチ?)
「もぉぉぉぉぉおアッタマ来たーーーー!潰す!あいつ絶っ対潰す!」
「・・・」

〜ココナサイド〜

「うりゃ!」
「〜後どれ位で隊ちょ・・ぐぁ!」
「ふぅ、やっと全部倒した!」
「大分息上がってるけど大丈夫?」
「うん!まだいけるよ!」
「居たぞ!倒せ!」
「次、来るよ!」
「うん!」
もちろんやせ我慢だった
相手は只の一般兵、ココナにとっては大した相手では無いのだがそれは相手が少数の場合である、相手が5人10人程度なら楽勝なのだが一気に20人以上に襲い掛かられては堪ったものではない
ココナが二本の短剣で敵兵に挑む中強力な魔弾と共に声がした
「!!」
ココナはとっさに攻撃を避ける
「よぉ、勝手に上がり込んどいて挨拶も無しか」
冷静に振舞っているがその声には憤怒の感情が籠もっている様に思えた
「・・・誰ですか?」
「それはこっちが聞きたい、テメェ何者だ?あのルティとか言う女の仲間か?」
ココナは今すぐにでも切りかかりたい感情を抑え冷静に言う
「!!・・・・ご主人様を知っているんですか?」
「(ほぉ・・コノ女あいつの・・)」
ニヤリ・・ガレットが不敵な笑みをこぼす
「ああ、知ってるぜぇ」
「!!!何所に居るんですか!教えてください!」
「フンッ・・いいだろう、この通路を突き当たりまで行ったら右に行く、左側に地下への階段がある、そこの地下牢に居るぜ、まぁ薬打ったりとか色々してるから身の安全は保障出来ないがな」
「!!!!」
嘘は言ってない、だが、この手の奴はこういう情報を教えてやればやるほど激情に駆られて理性を失う
それに、こいつは上手く引っ掛ってくれた
もともとガレットは心理戦を得意としていた為この程度の暗示は赤子の手を捻る様なモノだった
「・・・やったのは貴方ですか?」
「どうだかな、まぁ誰がやったにしろお前が主人の元に行くには俺を倒すしかないぜ?」
「・・・」
ココナはゆっくりとテシスとフィシスを構えた

その23 せいばーさん

ガキィィイン!キン!カキィン!
金属と金属がぶつかり合う甲高い音が狭い通路に響く
ガレットの攻撃は素早く、そして正確にココナの急所を狙ってくる
ココナもそうだがガレットは武器を両手を持っている
凶悪な形をした「裂空牙」と言う名の武器はその形状を利用しテシスとフィシスを絡めとり更なる猛攻を仕掛けた
しかしココナも負けておらず、精霊の加護を受け戦闘能力が飛躍的に向上しており、体術の部分ではガレットに劣るものの、ガレットとほぼ互角に戦っていた
「やぁぁぁ!」ブォン!
「チィッ!」ガキィィン!
ザザッ
「ハァ・・ハァ・・」
「隊長!我々も参戦しま・・」
「うるせぇ!邪魔すんな!」
「しかし・・・っ!」
「・・・いいんですか?」
「ああ、お前なんざ俺の部下を出すまでも無い」
「・・・・」
「ココナ・・大丈夫?」
「うん、引き続きサポートお願い」

〜ルティサイド〜
「ああっ!・・ふぅン・・ああっ・・くぅ・・」
ルティの口から喘ぎ声が漏れる
ズブッズブッズブッ
膣を触手が絶え間なくピストン運動を続ける
絶対に堕ちまいと必死に陵辱に耐えるルティ
しかし瞳は曇り、口からは唾液を垂らし、僅かに自ら腰を振るような仕草も見える
不意に触手が責めを止める、ルティはほっとすると同時に僅かに残念な気持ちを覚えたがそんな感情は押し殺した
「気分はどうかな?ルティ・チャーフル」
「ベアッ・・ド?」
聞き覚えの有る声、そこに現れたのは20代後半から30代と見られる男性だった
「いかにも、私がベアッド・ウォルガルフ、君たちの敵の総帥だよ、いやしかしこの臭いは堪らんな、換気をするか」
ベアッドはそう言うと部屋の隅にある換気扇を回す、その声は冷たく、淡々としていた
「やれやれガレットのとその部下の趣味のは困ったものだ、只適当に情報を聞き出しその後は人質に使えと言った筈なのだが、
すまんなルティ・チャーフル」
「・・・」
「本題に移ろう、今我々は戦力が足りなくてな、先程も君の部下と思われる者に二つ部隊を潰されてしまった」
「!!ココナがいるの!?」
「ほう、ココナと言うのか、あの娘は」
(でも部隊二つ潰したって凄いわね・・・って今はそうじゃなくて)
「何が言いたいのよ・・」
「ふむ、話が早いと助かるな、急で直ぐには決心が着かぬだろうが・・我々の仲間にならんか?天から舞い降りた英雄よ」

その24 せいばーさん

「貴方達の仲間・・・?私が?」
「うむ、先程も言った通り我々は今戦力が足りなくてね
このままだと次の作戦に支障を来たすのだよ
君の能力・・我々の力があれば更に伸ばす事も可能だ、ガレットを超えるなど容易い
それに・・仲間になるのであれば君を隊長クラスの地位にしてやっても良い、どうだね?悪い提案ではないだろう?」
「・・・・馬鹿ね」
「む?声が小さいくてよく聞こえんな、もう一度・・」
「アンタの仲間になる気は無いって言ってんのよ!
私が『ハイ、貴方の仲間になります』とでも言うと思った!?あんな馬鹿げた破壊行動しかしないアンタ達に協力する気は無い!」
ルティは珍しく声を荒げて言う
「・・・・残念だ、ルティ・チャーフル、君には失望したよ
私とて不本意だが、強行手段を取らせてもらう」
ベアットは先程の友好的な雰囲気とは打って変わって冷徹な声を上げる
「強行手段?」
「あぁ、何をするかは後でのお楽しみだが
君には有無を言わさず私達の同志に成ってもらう
・・フルーラ!」
「何でしょうかベアット様」
「準備を始めろ、準備が出来るまでコレの動きを激しくしろ、衰弱していた方がやり易い」
「了解しました」
コツコツコツ・・・
それだけ言うとベアッドは去っていく
「何をする気?」
「ふふ・・さっきも言った通り後でのお楽しみです
でも・・・もう元の貴方には戻れないかもしれませんよ?」
「なんですってっくっぁぁぁぁぁあ!」
不意に触手達の責めがルティを襲う
「『私達の仲間になる』と言う言葉を良く考えてみればこれからやられることが分かるかもね?尤も、考える余裕なんて無いでしょうけど」

〜ココナサイド〜

ブォン!ガキィィン!キンッ!ザザッ・・
「ハァ・・ハァ・・」
「チッ・・中々しぶといな・・」
「ハァ・・(ズキッ)くっ・・・」
「大丈夫!?」
「うん・・まだ行ける・・」
15分に及ぶ激戦、もともと戦闘なんて物に縁が無かったココナは体力の限界が近づいていた
体にはガレットにやられた切り傷や痣が沢山あった
「くっ・・」
先程頭を打った為か目眩がした、そのとき
「隙有り!」
ブォン!
「!!」
ガキィン!ドォォオン!
「がっ・・」
「フン・・防いだか・・だが」
一瞬の隙を突いた必殺の一撃、斬撃は防いだもののその衝撃で吹き飛ばされ壁に叩きつけられる
「クク・・もう戦える状態じゃないよなぁ?オイ、もう諦めて捕まっちまえよ、ご主人様のところにいけるぜ?」
「・・ご・・主じ・・んさ・・ま・・・・」
「ココナ!しっかりして!」
「無駄だ、精霊」
「!」
「いくらダメージを緩和したとは言え俺の攻撃を諸に受けたんだ
もう立てる状態じゃねぇ事は明白だ、諦めな」
ガレットは笑いながら言う
「(う・・・イタイ・・足も腕も・・息が苦しい・・
ご主人様・・私・・・もう・・)」
「諦めないでココナ!あなたがやられたら誰がルティさんを助けるの?ミリルさんやシリルさんはどうするの?今あなたが動かなきゃ!」
「(私が助ける・・・?御主人さまや・・・ミリルさ・・んやシリルを・・助ける・・・?)」
「ココナ!ココナーっ!」
「・・・・・・」
過去の記憶やルティやミリル・シリルの顔が頭に浮かぶ
「そうだ・・・」
「!!」
「・・・そうだ・・私が・・私が街の皆を・・ミリルさんを・・シリルを・・・ご主人様を助けるんだ・・・・っ!」
ブァッ!
「なっ・・!」
「ふぅ・・まったく、心配させないでよココナ、本当にやられるかと・・」
「うに〜ごめんごめん」
「でも・・これであなたの真の力が使える・・」
「姿が変わった・・だと?くっ・・それにこの魔力量・・」
ココナの姿は先程の服とは違い、より戦闘向けに、より動きやすい形になっていた
テシスとフィシスも一回り大きくなり、力強さを感じる立派な双剣に成っていた
「ガレットさん・・・これからは本気です、覚悟してください」
「・・・ハッ面白れぇ!こいよ!」
ダンッ・・キンッ!カンッキキン!ガキン!ガガッ!
ココナの動きはさっきと比べ物にならない程早くなっており、ガレットの動きを凌駕していた
ガレットも動きに付いて来ているものの押されている
「くっ・・コイツ・・」
「りゃぁぁぁあ!」
ドォォォン!
「うぉっ」
ココナの攻撃がガレットの腕を掠める
「ハァハァ・・」
「どうしたんですか?さっきの勢いがありませんよ?」
と、精霊
「黙れ!クソ・・良くも俺を馬鹿にしてくれたな・・」
そう言うとガレットの双剣に禍々しい程の魔力が集まってゆく
「!!」
必殺の一撃が来る、と予感したココナは自分も負けじと魔力を剣に込める
「必・殺!ゲイル・・・ブレイドォォォォ!!!!」
「エクスペクティション・・ブレイカァァァア!!!」
ドォォォォォォォオ!!!!!!
「ぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「りゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
互いの剣がぶつかり合う
神々しいまでの白い光と禍々しい赤紫の光がぶつかり合う
「くっ・・・・!!」
「うに・・・・」
白い光が打ち負けそうになる、しかし
「皆を・・・御主人様を傷つける人には・・絶対に・・負けない!!」
グォッ!バシュッッ!
「なっ・・・」
白い光が紫の光を飲み込みガレットを包み込む
「がっ・・ぐぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
ドォォォォォォオン!!!!
ココナの一撃は回りの壁を吹き飛ばし天井からは空が見えた
10m程先にはガレットが倒れている
「はぁ・・・はぁ・・や・・った・・・ふぅ」
バタリ
「ココナ!?」
「いや、大丈夫、少し疲れた」
ココナは立ち上がりガレットに近づき様子を見る
腹が上下している所を見ると生きている様だ
「うに、良かった〜死んでない」
いくら敵とはいえ殺してしまえばココナにとんでもない程の罪悪感が襲うだろう
「ところでココナ」
「うに?」
「さっきの技の名前どうしたの?」
「え?いや・・名前無いとなんか格好悪いなと思って即興で・・変だった?」
「いや、良かったけど・・まぁいいや、
さぁ!行こう!ココナ!」
「うん!」
ココナ達はルティの元へ向かう

〜ルティサイド〜

ズゥゥゥン・・・
「ん?」
フルーラと呼ばれた女性が顔を上げる
「なんだ・・?司令部!今地響きがあったが何かあったのか?」
「大変です!ガレット隊長とその部隊が壊滅しました!」
「何ですって!?」
「ガレットを倒した者がそちらに向かっています!注意してください!」
「くそっ・・・侵入者を倒すとか言っておきながら・・」
「そこまでです!」
「!!!」
「ココ・・ナ?」
「ご主人様を離してください!」
「動かないで!彼方のご主人様がどうなっても良いの!?」
「くっ・・」
フルーラはルティにナイフを突きつける
更に背中に隠した左腕には何かのスイッチが握られていた
ルティの頭部には白いヘッドギアが着けられており、腕には点滴の様な物も着いている
「ええ、そうよ・・大人しくしてね・・
このスイッチが何か分かる?」
「何なんですか?」
コレはね・・彼女が着けているヘッドギアと繋がっていてね
コレを押すと彼女の脳に特殊な電波が流れて彼女は私達の言いなりになっちゃうの、つまり洗脳ね、どう?素敵でしょ?」
ブンッ・・
「?」
一瞬ココナの体がぶれて見えた
その時は見間違いだろうと思っていたがこの時さっさとスイッチを押していればこの組織は目的を達成していただろう
「何所を見ているんですか?」
「なっ・・・!!」
ドンッ
ヒュ・・ガシッ!
宙に浮かび腕をフルーラの首に回す
さっきフルーラが見ていた物は高速で移動したココナの残像だったのだ
「がっ・・・」
「皆から奪った力は何所ですか?」
「くっ・・誰がそんなこと・・」
チャキ
ココナがナイフを突きつける
「・・・クソッ、C−21通路の5番倉庫・・」
「ありがとうございます」
ドン
ココナの手刀がフルーラの首にヒットする
ぐら・・・どさ
ココナを捕らえようとする触手を直死の魔眼を持った遠野志●の如く切り刻むとこれでもかとルティに抱きつく
「大丈夫ですか!?ご主人様!?」

「ひゃ!ちょ・・ココナ!
今私・・その・・とっとにかく今は強く抱きしめないで〜!」
「ふぇ?何でですか?」
「・・・・・いや・・・その・・わッ私今・・薬で・・・」
ルティは顔を真っ赤にして言う
「・・・・・」
ココナはルティの格好と抱きつく前に一瞬で片付けた触手を見て全てを悟った
「・・・ ああ、そうですね、ん〜なんか服は・・あっ」
ココナはフルーラの服をこれでもかと剥ぎ取りルティに着せる
お陰でフルーラは真っ裸だ
「う〜〜体がムズムズする・・・」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫に見える?」
「すいません・・・・ご主人様?」
「何?」
「そんなに疼くんなら・・その・・」
「・・・う゛・今はしょうがないわね」
そういうとルティはスカートを脱ぐ
ココナはルティのまだ濡れている秘所に口を当てる
「んっ・・」
ぴちゃくちゅ・・ちゅぱ
「くぅっ・・ふぅ・・」
ちゅぷ・・コリ
「ああっ!ぁぁぁぁぁぁぁあ!」
ぷしゅ・・・
ルティが絶頂に達する
『コリ』の時にココナが何をしたかは明白、クリトリスを甘噛みしたのだ
「なかなかテクニシャンねあなた・・」
「そうですか?」
「じゃぁ・・つぎは彼方ね・・」
「うに!?今は時間が・・!」
「一回位大丈夫でしょう?」
その顔はルティが普段絶対見せない顔で、とても淫靡で
「・・・はい」
ココナはそう答えるしかなかった



「くそっ・・ガレットめ・・侵入者を逃しおって・・
フルーラ!ルティ・チャーフルはどう・・っっ!?」
ベアッドは驚きの表情を隠せない
洗脳して色々使う予定だったルティがいない
更に自らの側近が下着姿で気絶しており
その腹に『残念でした』と書かれた紙が貼られていた

「そこまでよ、ベアッド・ヴォルガノフ」

「貴様・・・!」
そこに居たのは暁の魔女だった
ベアッドの首に赤い大鎌が触れる
「残念だったな、お前の計画もここで終わりだ」
「くっ・・貴様何者だ!」
「11年程前ドラフィア山脈に有る小さな山村を襲った事を覚えているか?まぁ表向きは地下にあった大型の不発弾が爆発して村が吹っ飛んだと言う事になっているが・・・」
「貴様・・っ!その時の生き残り!?」
「そうだ『その村に亜人種を研究している施設が有る』
と言う理由だけで村の人間を皆殺し・・いや一人生き残りが居たが」
「あの施設・・ジアロ研究所には当時最も亜人種が収容されていた施設だ、村人にも研究員は沢山居た、あそこを壊さなければ1200人の亜人種に未来は無かった!」
「確かに、あの村の人間の60%が研究員だった、だが無実の人間や何も知らない子供達を殺す道理は無いだろう、それに作戦自体を指示したのはお前だ、ソレに変わりは無い」
チャキ・・・
魔女が鎌を構える
ベアッドが死を覚悟した次の瞬間ベアッドは衝撃的な事実を知る
「そうだ、良い事を教えてやろう、離婚したお前の妻と子は
その村に住んでいたんだぜ」
「!!・・まさかお前・・っ!」
ドゴッ・・ドサッ
生物的にヤバイ音を立ててベアッドが倒れる
魔女はベアッドを斬ったのではなく鎌で殴ったのだ
「馬鹿が・・お前を殺すわけ無かろう
お前には一生掛けてでも罪を償ってもらう・・・(カチッ)
司令部、応答せよ、こちらクレア・ヴォルガノフ
組織の総帥を拘束、これより帰還する(カチッ)・・・・
まったく・・殺さないだけ感謝してよね?お父さん」
クレアは帽子を取る
「あっ何か違和感有ると思ったら幻術掛けっぱだった」
フォォ・・
幻術が解ける
するとベアッドと同じ色の毛をした耳がぴょこっと出てきた



「あーっ!ミリルさん私のお菓子とったーっ!」
「いいじゃんかー、一つくらい」
「こら、ここは病院なんだからあんまり騒がないのー、ミリルも貰うんだったら断りなさい?」
「うに〜おち・・落ち着いてください〜」
あれから街で暴れていた魔獣は力を取り戻したミリルさんやシリルと一緒に掃討、
壊された街も今は復旧作業で大忙しです
それと肝心の組織の方は壊滅して幹部は全員逮捕されて
ベアッドさんや怪我をしている兵隊は軍人の厳重な監視の下で入院しているらしいです
まぁ・・当然私達も怪我で入院している訳で・・
「も〜、お菓子ならあげますから一言言って下さいよ〜」
「ごめんごめんw」
こんな感じ
「まったく・・落ち着いて観察が出来やしない・・」
怪我よりも危ないお薬の影響の方が強かったご主人様は
体から薬を排除するために入院、始めは‘色々’大変でしたけど今はプロの看護士さんの動きを観察したり質問したりで大忙しです
そんなこんなでもうあれから一週間平和です、この上なく平和です
「こんにちはー!みんなー!お見舞いに来たよー!」
「あっフリカちゃんとチェリーちゃん、こんにちはですー」
「こんにちはー・・って何方?」
と、精霊
「ああ、友達のフリカちゃんとチェリーちゃんだよ、あっ紹介するねこちら精霊のフィロ君」
「「!!!」」
「どうも」
「う・・腕輪が喋った・・」
「じゃぁこうすればいいかな?」
フォォオ・・パシュッ
「うぁ!?」
そこには腕輪の姿は無く、ココナと同い年位の男の子が立っている
「これでどうかな?」
「おぉ〜」
フリカとチェリーは物珍しそうにフィロを眺める

こうして、街に平和が戻り、戦いは終わった
何時この前みたいな事が起きて戦う事になるか分からないけれど
それまで、精一杯楽しく過ごそうと思う

〜Fin〜

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