第2話 楽園と秘密の島

バンガローのすぐそばには、青い空と青い海、強い日差しに真っ白な砂浜──
3人がバカンスに来たこの島は、その周辺一帯が貸切同然という、商店街の福引で当てた物とは思えないほどの楽園でした。
しかし、おいしい話には何事も裏があるもの。このバカンスも例外ではなくて……?

その1 pwl32.NTHSさん

「んん〜〜〜!」
「天気もいい感じだし、」
「準備オッケーだし、」
「いくぞっ、海だぁぁぁぁっ!」
商店街の福引にしてはなんとも贅沢なこの島。
「ひゃぅ、冷たくて気持ちい〜〜っ」
でも、甘い話には裏が必ずあるんです。やっぱり。
「…」
ほら、アヤシイ人が一人。
「…ふっ」
あ、行った。

「みーちゃん、にゃにをするかぁっ」
「あ、隙ありぃっ」
ばしゃっ、ばしゃっ
……
「ふぃぃっ、今日も遊んだねっ☆」
「あ"〜、づーがーれーだー」
「先行ってるね〜。」
ココナはお風呂に行き、シリルも行こうとしますが、ミリルがへたれているのに気がつきます。
「そこぉっ、備え付けの扇風機で遊ばないっ!」
「う"ぅ〜」
「はーやーく、おふろ入るよ、ほら。」
ミリルは、一生懸命お茶を濁して残ろうとします。
  「塩で痛くなりそ…んむぅ〜〜」
「いいからさっさと来なさい…」
シリルは機嫌が悪いようです。
「…(シリルちゃん怖いよぅ…高がそのくらいで…)」
「…もう十時なのに風呂にはいってないののどこが高がだぁぁぁっ!!!」
「ふぃぃ、ごめんなさいごめんなさいぃぃ〜〜」
そりゃ機嫌悪いのも当然ですね(^^;
「ほら、ココナちゃん先いっちゃってるよぉ。」
「…はぁぁい…(やだなぁ…)」
「何かおっしゃいまして???」
「わぁぁ、い、行く行く、うん、すぐ行くよぉ、あははは、…はぁ…」

その2 娯楽人さん

なんだかんだ言って、お風呂でもハシャギまくった三人
もちろん疲れて速効で爆睡、そして翌朝・・・・
「すーーーぴーーー」「う〜〜んムニャムニャ」
「くぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・」
余程疲れたのか朝になっても中々起きない三人
かれこれ12時間は寝ています。(寝すぎでは?)
「・・・・・ふぁ〜〜〜よく寝た」
初めに起きたのはミリルでした
「シリル、起きてもう朝だよ?」(ユサユサ)
「すーーーぴーーー」「シリル?ねえシリルってば!」
「う〜〜ん何ですか?ミリルさん大声出して?」
「シリルが起きないの」
「えっ?でも昨日あんなにはしゃいでたから疲れてるだけなんじゃ?」
「シリルは普通どんなに眠っていても簡単に起きたの、だから今日は何かが違う・・」「すーーぴーー」
「私も起こしてみますからもうちょっと様子を見ましょう」
「わかった」
・・1時間後
「やっぱり起きませんねどうしたんでしょう?」
「わからない、昨日はあんなに元気だったのに・・・?」(なんだろう?シリルの首筋がちょっと腫れてる昨日はこんな腫れ無かったのに)
「私ここの住民の方呼んで来ます何か判るかもしれないから」
「お願いココナちゃん」
「はい!」
こうして謎の深い眠りに落ちたシリル
首の腫れは一体何なのか?
そしてあの男が関係しているのか?そして正体は?
謎は深まっていく・・・・・

その3 geitoさん

住民を探しに部屋を出て人を探すココナ。
「うに〜何で誰もいないんでしょう?」
仕方なく外へ出るココナ、すると昨日3人の様子を見ていた男とは違う男が、海の方で何か作業しているのが見えた。
ココナは迷うことなく海で作業してる男の方へ向かった。
男は無数の触手を出している磯巾着の様な生物を捕まえてる最中だったようだ。
ココナは海で作業してる男に近づいた。
「すいません私の友達が目を覚まさないんです。見てもらえませんか?」
男はココナに顔をむけ、すぐ生物の方に顔を戻し作業しながら答えた。
「目が覚めないなら起せば良いだけだろう?それとも俺に目覚ましをさせろと?」
「むぅ、とにかく来て下さい」
男は生物を氷付けにすると、やれやれとした顔をしながらうなずき、ココナの後を追って部屋に向かった。
一方部屋ではシリルをなんとか起そうとミリルがあの手この手を尽くしていた。
「なんで起きないんだろ、首筋の腫れ物が関係してるのかな?」
その時ココナと男がミリル達の入る部屋へ入ってきた。シリルも加わって再び男に事情を説明した。
男はミリルの言っていた首筋の腫れ物に目をやる。
「なるほどな、二人とも昨日この海に入ったかい?」
「ええ!? はい、入って遊びましたよ」
「さっきあの海を調べてたけどあそこに毒をもった生物がいたんだ、さっき捕えたんだけど、そいつの催眠針を受けたみたいだ。その針を受けた者が眠ると夢の世界に入ってしまうんだ。」
「それって、どういうですか?」
「つまり、夢の世界が現実だと思っている 永遠に覚めない夢だよ、放っておけばこの子の記憶も消えていく。」
「うに? 記憶って?」
「思い出だよ」
「「!?!!?」」
「どうすれば、どうすれば起きるんですか?」涙ぐみ始めるミリル。
「方法は二つ、一つは誰かがこの子の夢に入って夢から出してあげる方法、もう一つは強い魔力で強制的に夢から出す方法但しこの方法はこの子の記憶はおろか精神まで崩壊する恐れがある」
深刻になる二人
「私、シリルの夢の中に入ります」
「ミリルちゃん!?」
「それは構わないがこの子の見ている夢の世界が君まで引き込むかも知れないぞ?」
「なら私も行くです、ミリルちゃんだけ行くなんてずるいです」
「ふぅ…分かった なら二人ともこの子の体の何処かに触れて横になってくれ。」
二人はシリルの片方づつの手にふれて横になった。
「一つ注意しておく、夢から出たとき針を放った磯巾着の様な生物があらゆる手段を使って攻撃してくる、たとえつかまったとしてもこの世界に戻りたい意志が強ければ戻ってこれるはずだ。 では二人とも目を瞑ってくれ」
男は二人の頭の上に片方ずつ手を添える、そして呪文を唱え始めた、やがて二人の頭と男の手の間から青い光が出て二人はシリルの夢の中へと入っていった。
作業が終わると男は内ポケットから塗り薬を取り出すとシリルの腫れ物に揺っておいた。
「これで少しはよくなると思うが。」
そして机に置手紙を書いて去っていった。
(待っててシリル、かならず夢から出すから、そして一緒に帰ろう)
二人はシリルの夢の世界に降り立った

その4 娯楽人さん

こは深い夢の中・・・・甘くて危険な夢の中・・・・・
早くお帰り、夢に捕まらないうちに・・・・

「ミリルさん、何か聞こえませんでした?」
「いや、私は何も聞こえなかったけど」
「空耳ですかね?」
「いやな予感がする、早くシリルは探そう!」


「あれなんですかね?」
「あれは・・・・扉?」
進む二人の前にまるで拒むように扉が現れました。
「鍵が無いと開かないみたいですよ?」
「しかも一つじゃ駄目みたい、」
「ミリルさん、手分けして探しましょうか」
「そうね、じゃあ私はあっちの方を探してみる」
「私はこっちを探します」
「気をつけてね」
「ミリルさんこそ」


「とか言ったけどやっぱり怖いな〜」
カッコイイ事言ってもやっぱり怖いココナ
「でもシリルちゃんのため頑張らなくちゃ!」
・・・・・・・・り
「よし!行くぞ!オ〜・・・・なんてえへへ」
はやくおかえり
「・・・・誰!?」
早くお帰り、この夢から・・・
「誰ですか?出てきてください」
私の声が聞こえるならば・・早くお帰り・・・・・・・・崩れ去る・・・・
「崩れ去る?どうゆう事ですか?」
早くお帰り・・・・・夢に捕らわれる前に・・・・
「あっ、待ってまだ聞きたいことが!・・・・行っちゃった何だろうあの声?崩れ去るって言ってたけど・・・・・・・うにゅ〜判らない〜」

「・・・・・・・・・・・・何これ?」
ミリルがこう言うのも無理は無い、目の前には無数の鍵、鍵、鍵、
「どれがあの扉の鍵かわからないじゃない・・・・」
「何かお探しですか?」
「!・・・・誰?」
「そんなに身構えなくても良いですよミリルさん」
「えっ・・どうして?私の名前を」
「・・その事は後でお話しますのでまずはこちらへ」

その5 娯楽人さん

現れた謎の人物の案内で彼が住んでいるらしい小屋に招待された。
「さあ、そんなところに立っていないでお掛けになってくださいお茶が冷めてしまいますから」
「まだ名前も知らない相手にお茶進められても素直に飲めないんだけど・・・・」
「・・・・それもそうですね、でもお茶飲みながらでも話は出来ますよ?」
「・・・・じゃあお茶飲むから話してあなたのことを」

「お茶いかがでした?」
「美味しかった」
「おかわりいかがです?」
「そんな事より早く話してよ」
「さて・・・・どこからお話しましょうか?」
「私に聞かれても・・・・じゃあまずは名前から」
「名前ですか?」
「そう名前、いつまでもあなたなんて呼びたくないから」
「そうですね、私の名前はドリム=ニアキス、まあドリムとでも呼んでください」
「じゃあドリムどうして私の名前を知っていたの?」
「それはここがミリルさんの妹さんの夢の中だからですよ、夢の中では大切な思い出やイメージも実体化するのでミリルさんの事を知ってたんですよ」
「そうだったの・・・」
「そういえばどうしてミリルさんは夢の中に?」
「そうだ!シリル!シリルがシリルがぁ!」
「落ち着いてくださいミリルさん何があったんです?」

「そうですか、それでここに来たんですね」
「そうシリルを助けに来たの」
「そういう事でしたらお手伝い出来ると思います、扉まで行きましょう!」
「えっ!?でもあの扉は鍵が掛かってて開かないのよ?」
「大丈夫ですよ私に任せてください」

そして扉の前・・・・
「本来夢の中にはこのような扉は無いんです
でも、もし扉が現れたのならそれはその夢の主が夢から覚めるのを拒絶してるか
又は今回のように目覚められない夢を見せられているとこんな扉が現れるんです」
「詳しいねドリム」
「この位知識がないと夢の中は危険なんですよ、よし開けますよ」ガチャ(ギギ〜〜〜)
「開いた!」
「それではシリルさんを助けに行きましょう!」
(待っててシリル今助けるから)

その頃・・・・・
「うに〜〜〜ここ何処〜〜〜?」
ココナは迷っていた

その6 geitoさん

「く・・・ん」
「え!?」
ココナの居る位置から、聞き覚えのある声が聞こえる。
「くー・・ん、 ・・ちゃん」
「この声、でも何処から?」
「くーちゃん!!」
「わわっ!?」
なんと ココナの前に現れたのは夢の中にとらわれているはずのシリルだった。
「そんなに驚かなくても良いじゃない」
「でっでも見えないとこから声掛けられたら誰だって驚きますよ」
「えへへ ごめんごめん」
「でも良かったシリルさんに会えて」
「そうだよ、もう早く家に行こう」
「え?」
ココナが首をかしげるのも無理はありません。今自分の居る場所は海の綺麗な島に居るはず、自分達の家は近くにはないはずです。
「もう、早く行こう」
「えっちょっと、うわ、シリルさん、待って」
シリルはココナが止めるのもお構いなしに腕を引っ張って走る、ココナは何とかシリルにここは夢の世界だと言おうとした。
  しかしそれが出来なくなった。 ココナが見た場所は緑の綺麗な場所に家が一つ、その場所に見とれ声が出なくなっていた、しかも家の前には二人の大人の人が立っている。
「ただいまっ」
「お帰り、シリル」
シリルが大人の男性の方へ向かい挨拶をする。 その後にシリルがココナを招いた。
ココナはシリルの方へ向かう。
「ココナさんだね。 初めまして、シリルの父です。」
「えっ!? どうして私の名前を?」
「ルティさんとは仲が良いからね、ココナさんのことも聞いていたのよ、私はシリルの母です」
「立ち話もなんです。家で話しましょう、シリル、ココナさんを入れてあげて」
「は〜い」
明るい声を上げながらココナの背中を押しつつ家えと入るココナ。
(うに〜シリルさんにここは夢だって事言わなきゃいけないのに〜)
「どうしたの、くーちゃん?」
「え? いや なんでもないです」
(こんなの見せられたら夢だなんていい辛いです〜夢さんの馬鹿ぁ)
夢を馬鹿にしながらシリルとシリルの両親と友に食事を交わすココナ。
シリルの母の作った料理はルティと同じくらいに美味しかった。 ココナも、この家族の暖かさにやられ、夢とは思えなくなりつつあった。
食事が終わり、父から要望がきた。
「ココナさん、暫くの間、シリルと一緒に居てくれないか?」
「えっ?、ミリルさんが居るんじゃ」
「ミリルはね、友達と一緒に旅行に行ってしまってね、2週間ぐらい帰ってこないんだ、頼めないかい? ココナのご主人には連絡するからさ」
父の要望に戸惑いを見せるココナ、ちらりシリルを見ると哀れむような目で「一緒に居よう」と訴えている。
「分かりました、ミリルさんが帰ってくるまでです。それにシリルさんともっと遊びたいです」
「ありがとうココナさん」
シリルは大喜びだった。 その後ココナはシリルの部屋に寝床を作ってもらいそこで眠ることにした。
しかし、これが夢に捕われると言うことだった。既に捕まっていたシリル、その夢にココナは酔いしれてしまっていた。やがてココナの頭からもこの世界は夢の世界だと思えなくなりつつあった。

「あっ」
「どうしたの?ドリム?」
「たった今、貴方と同じように夢の世界に入ってきた人がシリルさんの夢に捕われつつあるようです」
「それって」
「ええ、ココナさんです。 ですがまだ夢だと言う気持ちは抜けてないようです。 これなら一声掛ければ思い出します、ですが放って置けばシリルさんと同じになる」
「そんな」
「急ぎましょう、彼女達の捕まっている夢はもう少しです」
「うん」
(しかし何故です?あの扉は本当に鍵みたいなのが着いていた、何処にもあそこから抜けられる様な場所なんてない、通るなら何処かで私と会っているはずなのに会わなかった、ならどうやってココナさんと?)
「ドリム?」
「あっすいません、急ぎましょう」
ミリル達は先へ急ぐ、夢に捕われたシリルと夢に捕われつつあるココナのもとへ。

その7 北桜

一方、ミリルとココナが夢の世界へと飛び込んだしばらく後の現実世界。
バンガローへと近づく影がありました。昨日、3人の様子を伺っていた男です。
男は、辺りに誰もいないことを確かめると、バンガロー内の様子を探りながら付近を周回し、静かに中へと侵入します。
そして、ベッドの方へと目をやれば、外から確かめた通りのままの状況。そこにはただ、ぐっすりと眠る3人だけが残されていました。
近づけば気づかれるか、と思いながら近づくも、目を覚ます様子は全くありません。
男の知識によれば、亜人種は「野生の勘」が強く、眠っていても不穏な気配を敏感に読み取ることができるはず。
しかし今の状況は、明らかにその知識とは逆の状況でした。
疑念を抱きつつも男はさらに3人へと近づき、ベッドに突っ伏すココナの身体を、背後から抱くようにぐっと引き寄せ……!
……それでも、誰かが目覚める様子はありません。
冷静に見て異常な事態。その理由は言わずもがなですが、男には彼女たちの事情など知る由もありません。
いぶかしく思いつつも、しかし男はこの最大の好機を逃すわけにはいきませんでした。
男はココナを仰向けにすると、服とスカートをたくし上げます。
ふくらみかけ、の表現が似合う小ぶりの胸。軽く揉みしだくと、柔らかな弾力がわずかに返ってくることだけを確かめ、次はその手を純白のパンツへ。太股まで脱がせると、次は柔らかな恥丘へと。そして、目の前に惜しげもなく晒された割れ目を、ゆっくりと押し拡げました。
ココナは軽く身じろいで声を漏らすものの、当然のように目を覚ましません。
綺麗な色をした性器が姿を現すと、男は満足気に、しかし不気味な笑みを浮かべました。
男はそれ以上の事は何もせず、乱した服を元に戻すと、ココナの身体を抱き上げます。

数分後、眠る少女たちの数は、ひとり、少なくなっていました……

その8 娯楽人さん

舞台は再び夢の中・・・・

「くーちゃん、遊びに行こう近くの森にとっても綺麗な場所があるの」
「シリルさんそうですね行きましょうか」
「二人とも行くのは良いけど遅くなっちゃダメよ?」
「は〜い」
そして二人は近くの森へ

「うわ〜綺麗です〜」
「ここはお気に入りの場所なの、よくここでお昼寝したり本を読んだりするの」
「素敵ですねこんなにお花に囲まれてのお昼寝気持ちよさそうです〜」
シリルのお気に入りの場所とは森の中心付近にある花畑、様々な花が咲いていて
楽園と言っても過言では無い程、素敵な所でした。
「じゃあくーちゃんお昼寝しようか?」
「良いですねしましょうこんな場所でのお昼寝なんて滅多に出来ませんしね〜」
「じゃあお休みくーちゃん」
「はい、お休みなさいシリルさん」
「・・・・・・・すーすー」
「・・・・・・・むにゃむにゃ」
(気持ち良いな・・・・なんだか夢みたい・・・・あれ?
何か大事な事忘れてるような?・・・・思い出せないけど何だろう?うに〜お昼寝終わったら思い出せるよねきっと・・・・)
これ以上眠ってはダメ・・・・
(うに〜だれですかぁ?)
私の名前はリナあなたを助けたいの・・・・お願い起きて
(その声はあの時の?)
そう・・あの時語りかけたのは私、こうなる前に逃げてほしかったの・・・・
このままではあなたはいなくなってしまう、でもまだ間に合うだから眠らないで!
(そう言われても訳がわかりませんよ〜・・・・ふわ〜〜〜眠いですぅ〜・・・・・・)
ダメ!眠ったらダメなの!起きてお願い!!
(むにゃむにゃ・・・・・・)

「大変だ・・・」
「どうしたの?」
「ココナさんの意識が消えかかっている」
「えっ!?」
「急ぎましょうこのままではシリルさんより取り返しが付かない事になってしまう!」
「どういう事!?」
「説明してる暇はありません!急ぎましょう!」
(ドリムがこんなに慌てるなんて余程大変なことが起こっているの?)
「わかった!行こうドリム!」
「こっちです!こっちの方にお二人の気配がします!」
「こっちね!」(何だろうこの懐かしさ?ここ見たことあるような?・・・ってそんなこと考えてる場合じゃないわ急がなきゃ!)

(時間はもう無い早く助けなければココナさんの精神が夢に飲まれて帰れなくなる!!)

その9 geitoさん

二人は、ようやくシリルの夢の世界へと入った。
同時にミリルは目を疑った。
「ここ、もしかして、でも・・・ううん見間違えるはずがない」
「ミリルさん?」
一歩づつ歩み行くミリル
「間違いない、ここは私が小さいころ両親と一緒に暮らしていた場所!!」
「ちょっとミリルさん!?」
「お父さんとお母さんいるの?会いたい、家を探さないと」
「ミリルさん!!」
「えっ!? あっドリム。」
「しっかりしてください、危なく貴方まで夢に引き込まれかけていたんですよ」
「ごめん、でもこの周り見ていたら懐かしくなっちゃって」
「あっ」
ドリムは気付いた、まだミリルは見せられる夢の怖さを知らなかったのだ。
だから、見た目で懐かしく思い、両親に会いに行こうとしたのだと、改めて気付かされた。
「ミリルさん、確かにここは貴方の知っている場所かも知れない、でもここは夢の世界です。見せられる夢は、人の思いを映し出します。でもそれは自分の思い出の延長でしかないんです。」
「延長?」
「そうです、多分シリルさんは、心の何処かで両親と会いたい気持ちが会ったのでしょうね
 しかし、過去にどうして両親と貴方と別れたのかを、どうやって貴方と再開したのかを忘れています
それを思い出させられるのはおそらく姉の貴方だけです。
「そんな、過去を忘れてるなんて」
「残酷ですけど現実です。 それが夢を見せられることの恐怖です。 
 同時に助けに来た人がその場所を知っていれば簡単に引き込まれる可能性もあります。過去を忘れて・・・」
「でも、それと記憶が消えるのとどういう関係があるの?」
「それは、今ココナさんの状況ですね。意識が消えれば本人は夢に溶けてしまう。そうなれば二度とここから出られません」
「そんな」
「・・・・・・多分それが向こうの世界に居る男性の言っていたことでしょうね」
(「放っておけばこの子の記憶も消える・・・」)
ミリルの頭にシリルを見てくれた男の言葉が過ぎる。
「急がなきゃ」
「闇雲に回ってもキリがありませんよ」
「私、二人が居そうなところ、大体分かる、あの時と同じなら、あの綺麗な場所に・・・」
「分かりました、でも急ぎましょう、ココナさんの状況は変わっていません、油断していたらシリルさんも同じことになるかも知れませんから」
「うん」
(でも、私でシリルを思い出させてあげられるの?)

(うに〜いい加減寝かせてくださぃ〜)
昼寝しようとしてるのにリナと名乗る者に邪魔されて寝付けないココナであった。

その10 かからさん

眠ろうとするココナに話しかける声。ココナの苛立ちは募り、ココナは思わず叫んだ。
「うるさぁぁぁい!いいかげにしてくださぁい!」
「はにゃぁっ?く、くーちゃん?どうしたの?」
「あ・・・、な、なんでもないです。」
「?」
そのころ・・・
「!」
「?どうしたのドリム。」
「ココナさんの意識がしっかりとしてきました。いまのうちに声をかけないと!いそぎましょう!」
「え?あ、うん!・・・・・・・はにゃぁぁぁ?」
「ミリルさん?」
振り向くと、ミリルは足を緑の触手に引っ張られ、どこかに連れ去られる瞬間だった・・・。

その11 geitoさん

「ミリルさん!? くそ、待て!!」
あわてて後を追うドリム、しかしどこから出てきたのか別の触手に活き良い良く弾き飛ばした。
「なっ!? うわっ がはっ」
吹き飛ばされ 木に背中から激突するドリム
「ドリム!!ドリム!!」
「くっ・・・ミリルさんを・・・助けないと・・・うっ・・・体が重い・・・少し落ち着かなきゃ駄目か・・・ごめん・・・ミリルさん・・・リナぁ・・・」

「離して、離してよ」
「五月蝿い」
「えっ」
頭に声が響いてきた、そしてミリルが見たのは丸で海に居る磯巾着のような生物だった。
「貴方があの娘達に会ってもらうと困るのよ、フフフ」
磯巾着の声は、シリルの母の声にほぼ似ていた。
「私の主の命で記憶を消せと言われているしね。 貴方が行ってしまうと目覚めてしまうかも知れないからねぇ」
「くっ」
「足掻いても無駄よ、貴方は別の方法で記憶を消してあげる、覚悟しなさい」
そう伝えると、ミリルを上へ持ち上げた、同時に複数の触手がもう片方の足と両腕を封じた、
「なっ何を、やめっ」
数本の触手がミリルの服の下へと滑らせ始める。
「さぁ、悪夢の始まりね、ドリムもリナにも邪魔はさせないこの夢魔(ユマ)が貴方の記憶を快楽で消してあげる。」

その12 娯楽人さん

夢魔は言葉どうりミリルのあらゆる場所を触手で弄りミリルを高みえと導こうとする
「フフフ、さあ抗うのをやめなさいその方が楽になるわよ?」
「嫌だ・・・!」
「強情ね・・・・じゃあこうしてやるわ!!」
ミリルの秘所を弄っていた触手が一旦離れ
その先端を秘所めがけ突き刺した!!
(ズプゥ)
「ふにゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「さあ!このまま何もかも忘れて快楽に酔いしれろ!」
触手はミリルを蹂躙すべく激しく動くその度卑猥な音が響き渡る
(ズチチュズチュズチュ)
「ああああああぁぁぁぁぁぁ!!」
「フフフ、そのまま壊れてしまえ!」
(シリル・・・・ごめん・・・もう駄目みたい・・・)

「ふみゅぅ?」
「どうしたんですか、シリルさん?」
「今みーちゃんの声が聞こえたような気が・・」
「ミリルさんの声?私は聞こえませんでしたけど」
「空耳かな?」
「空耳ですよきっと・・・・?」
(あれ?こんな会話、前にしたような・・・・・・!!)
「思い出しました!!」
「わっ!?・・今度は何?くーちゃん」
「シリルさん!早くここから出ましょう!」
「出るって何処へ?くーちゃんお熱でも有るの?」
「私は病気じゃありません!病気なのはシリルさんのほうです」
「えっ?どういう事くーちゃん?」
ココナはこれまでの事を話した
「そうだったんだ・・・・やっぱり」
「えっ?シリルさんこれが夢だと知ってたんですか?」
「うん多分最初から気づいていたんだと思う、でもそれを認めるのが怖かった、パパやママと離れるのが嫌だった・・・・」
「シリルさん・・・・」
「でも、ワタシはもう逃げない一人ぼっちが寂しいのはみーちゃんも同じだから!」
「シリルさん・・うん帰りましょう!元の世界へ・・あっ!でもミリルさんを探さないと!」
「その必要はないわ」
そこには見知らぬ女の子が立っていた
「あなた誰?」
「その声はリナさん?」
「覚えててくれてありがとう、そうリナよ」
「その必要は無いってどうゆうことですか?」
「シリルさんが目覚めれば全員外に出られるのだから探す必要は無いわ」
「じゃあどうやって目覚めるの?」
「それは私が手伝うわ、いいシリルさん3つ数を数えて」
「わかった・・3・2・1」
「ポン」

「あっ・・あっ・・」
「もうそろそろこの子は消えるね、ハハハあとであの子達も一緒にしてやるよ」
「そこまでですよ夢魔」
「ドリム?まだやられ足りないようだね次は殺してやる!!」
「残念ながら時間切れです(笑)」
「何!?まさか!」

(ぱちっ)
「・・・みーちゃん?」
「うう〜ん・・・はっ・・シリル・・・シリルゥゥゥゥ(泣)」
「うわっ!」
「シリル〜〜良かった良かったようぅぅぅ!!」
「も〜みーちゃん泣き虫さんだね、よしよし」
「シリルさんよく頑張りましたね」
「リナさん」
「ほら、ミリルさん泣かないでこうして帰って来れたんですから」
「ドリムぅぐすっ」
「ミリルさんちょっと退いてください」
ミリルが退くとドリムはシリルの腫れ物から針を抜いた
その針から炎が上がり夢魔の断末魔の声が響き渡った
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!おのれぇぇぇドリムぅぅぅリナぁぁぁ!!」
「夢魔、貴方はもう罪を犯した虚空に行きなさい」
「いやだぁぁぁぁぁ!」
「しかた有りませんねそれでは強制的に・・・デジョムス!!」
(シュン)
「夢魔は何処に行ったのドリム?」
「虚空と呼ばれる空間です、犯罪者を閉じ込めるいわゆる牢屋です」
「あれ?みーちゃん、くーちゃんは?」
「えっ?いない!?」

ココナはその頃・・・・

「みんなーどこー?ううっかび臭いここ何処だろう?・・・・あ〜もしかしてここって牢屋?・・・・・出して〜〜!だれか〜〜〜!!」

その13 北桜

ひとしきり叫ぶと、どこからともなく男たちがやってきた。
「ここはどこですかっ? 出してくださいですっ!」
「まあそんなに急くな、今出してやる」
「え……?」
予想だにしていなかった言葉に一瞬拍子抜けしながらもほっとしたココナだったが、それが間違いだと気づくのに時間はかからなかった。
男たちは牢の鍵を開けて中に入ると、あっと言う間にココナの手足に手かせをはめ、耳元で呪文のようなものをささやきかけた。
文句を言おうと口を開きかけたココナだったが、呪文の効果か、どんどん意識が遠のき……

気づいたときには、別の部屋で、拘束台にはりつけにされていた。
はめられた手かせと足かせはしっかりと固定され、身動きが取れない。
「う……こ、ここは……?」
「ようこそ、私の調教部屋へ」
頭を上げると、そこには見知らぬ男がひとり。それはあの時ココナを連れ去った男だったが、それはココナが知る由もない。
「調教部屋……?」
男はにココナに歩み寄ると、その服を手にしたはさみで切り裂く。
破かれはだけた服の合間から小ぶりな乳房が現れると、男はその胸を掴み、揉みしだきはじめた。
「そう、ここは君を立派な奴隷として調教するための部屋だ。もちろん、立派な性奴隷となるように」
「そ、そんなのっ……」
言う間に、男の指先は小さな乳首をとらえ、くりくりと弄び始める。
「嘘じゃない。私達はこうして性奴隷を作り上げ、『メンバー』に売りさばくのが仕事だからな」
「や……やですっ!」
「そう言っていられるのは今だけだ。売られる頃には、犯されることに喜びを感じるようになる」
スカートにはさみが入り、ただの布切れと化し床に落ちる。
「そんなの……あっ、やぁぁっ」
男がパンツ越しにココナの秘所をこすり上げると、ココナは思わず甘い吐息を漏らした。
あふれ出した愛液が、徐々にパンツに染みを広げる。
「この濡れよう、先に膣内で溶かしておいた媚薬が効いているようだが……君は最初に見込んだ以上に淫乱なようだな」
「そ、そんなことっ……んっ、ふあっ」
「まあ、いずれにせよここに助けは来ない。ゆっくりと愉しもうじゃないか」
不気味な笑みを浮かべながら、男がみたび手にしたはさみが、ココナのパンツにかかった。

その14 娯楽人さん

「早く探しに行かないと!」
「シリルも!くーちゃん心配だから!」
「待ってください二人とも!」
「ドリム?」
「ミリルさん?夢の世界でのダメージがまだ残ってるんじゃないですか?」
「うっ・・・ばれてた?」
「それにシリルさんもまだ体の調子直ってないんじゃない?」
「ふみゅう、でもくーちゃんが心配だよ・・・」
「・・・・わかりました、では私たちがココナさんを探しに行きます」
「そんな、これ以上迷惑掛けられないよ・・・」
「迷惑なんて思ってませんよ・・・・それにココナさんが心配なのは私も同じですから」
「あっ・・・うん、じゃあ待ってる、でも・・・」
「でも、何ですか」
「ちゃんと無事に帰ってきて約束よ・・・」
「わかりました、じゃあ行こうかリナ」
「ちょっと待って・・・・はいシリルさん」
「ふみゅ?これは?」
「お守り、危ないことが無いように私からプレゼント!」
「ありがとう、リナさん」
「じゃあねちゃんと休むんだよ?」
「うん!」
「それでは、行ってきます」
「気をつけてね、ドリムもリナさんも」
「大丈夫、このリナさんに任せなさ〜い」
「リナ〜〜置いて行きますよ〜〜?」
「うわっ!もうあんなに遠くに!?待ってよ〜〜!」
(ギ〜バッタン)
「大丈夫かな、みーちゃん?」
「大丈夫よドリムだったら・・・・」
「おや、みーちゃん?ドリムさんにお熱かな〜?」
「そんなんじゃないよ!」
「その割にお顔真っ赤だよ?」
「!・・・・そんなんじゃないもん・・・」

「リナあのお守りもしかして?」
「うん、兄さんに貰ったやつだよ」
「普通あげた相手に渡していい?ぐらい聞いても罰当たりませんよ?」
「だって兄さん止めなかったじゃない」
「止めませんよあのお守りは本当に力があるお守りですから」
「だから渡したんだけどね・・・・」
「何か言いました、リナ?」
「ううん何でもないほら早く行こう!」
「はいはい行きますから袖引っ張らないでください」

その15 geitoさん

「全く、お前らお篤いね」
「「!?」」
「そうビビリなさんな よっと」
声を掛けた主はバンガローの屋根の上から飛び降りる
「貴方は!!」
「そう身構えんなよドリム」
ドリム達の目の前に居たのはシリルを見てくれた男だった。
「ったく、まだあの時の事を気にしてるのか?」
「当たり前です、貴方のお陰でどれだけリナが寂しい思いをしたか分かってるんですか!!」
「悪かった」
「本当にその自覚があるんですか?ミリルさん達まで眠らしているなんて、話が違うじゃないですか」
「すまんな、でもお前らに会うまでは古い方法しかなかったんだからよ」
「全く、っでなんでここに着たんです?」
「奴らの様子見だ、でもお前らが無事なら、3人共・・・」
「無事じゃないです!!」
キーんと怒鳴る声、流石の男もリナも耳を塞いだ
「どうしたの騒がしいなぁ」
気になってミリル達が顔を出す
「あっ二人とも下がって、こいつはココナさんをさらった仲間ですよ」
「「えっ」」
二人の顔が凍る、同時にミリルは怒りを上げた
「ココナを、ココナを何処に連れてったーー!!」
「なっ ぐわっ」
ミリルの拳が男を捕らえる
「みーちゃん!!」
周りが騒然とする、今の拳で男は約3m近く飛ばされたのだから。
「いてて、このやろう、それがお前の友人を診てやった奴の態度か!!」
「それとこれとは話が別よ!!」
ミリルの怒りは尚も収まらない、既にミリルはズカズカと砂浜を進み男の前まで来て、胸座を掴んだ。ミリルは軽く男を持ち上げ、ココナの居場所を吐かそうとしたが、
「まっ待てよ、俺も知らないって、俺だって、あがっ」
掴まれたまま、もう一方の腕が再び男の顔を捉える。
「みーちゃん、その人悪い人じゃないよ」
「シリル、いいこと教えてあげる、人は見かけで判断しちゃ・・・いけないの!!」
「ぐはっ」
今度は両手で服を掴み、そのまま背負い投げを喰らわす。
「最後よ、命をとるか、情報を取るか決めなさい」
「ミリルさんがこんなに強いなんて」
戸惑いを隠せないドリム、その時!!
「もうやめて、その人は本当に悪い人じゃない、その人は私を助けて組織から一緒に逃げた人なの!!」
「なんで? 仲間じゃないの?」
「違うんですその人は・・・」
リナの話によると、彼には名前が無くリナがローグと名前をあげたそうだ。
そして、性奴隷の仕事に耐えられなかったローグはリナとドリムを通して、逃亡を図ったそうだ。
「なら貴方から組織の場所を教えて」
4人がローグを見る
「それが出来たら苦労しないよ奴の場所はこの島のどこかの深い森にあるんだ、それがどの森か全く分からん、そこのお嬢ちゃんにも居場所が分かるよう魔法の薬まで使ったのに」
ローグはシリルに目をやる、シリルに塗ってた物だった。
しかしその方法も失敗に終わってしまっていた。
「手詰まりですね。私も貴方に聞こうと思っていたのに」

一方ココナは奴隷商の手によってパンツもハサミで切られ秘部にもあてがわれ、息を荒くしていた。
「そろそろお前の出番だ、この娘を思いっきりやってやれ」
そういいながら男はジッパーに手を近づけ下へおろす
やがてココナの目の前に見たくも無い物が出てきた。
ココナの顔が引きつる。
夢なら覚めて欲しいと願うココナだった。

その16 娯楽人さん

「いやぁ・・・来ないで下さい・・・」
「嫌がれるのも今の内だ、時期に自分から欲しがる様になる」
「・・どうして?こんなこと・・・・」
「どうして?か・・・・決まっている・・金のためだ!」
(ズプゥ!)
「!!」
「ふふ・・余りの快感に声も出ないか?」
「はぁ・・・はぁ・・・」
(入っちゃった・・・)
「だが本番はこれからだ、いくぞ!」
奴隷商人は激しくピストンし始める
(ズップズップズップ・・・・)
「あっ!あぁぁっぁぁぁ!」
(どうしちゃったの、私の体!?)
「くっ予想以上に名器だ・・・・このままではすぐに・・・よし次の段階だ」
(ピタッ)
「はぁ・・はぁ・・どうして?・・・」
「止めてほしく無かったら、ちゃんとおねだりしてみな」
「っ!・・・・お願いです・・・止めないで・・下さい」
(言いたくない!だけど口が勝手に!?)
「何を止めないでほしいんだ?言ってみろ?」
「おち○ちん・・・・」
(やめてぇ、言いたくない・・・)
「ああっ?聞こえないなぁ?さあもう一度!」
「おち○ちん動かすの止めないで下さい!」
「よく言えましたじゃあ、ご褒美だ!」
さっき以上に激しくピストンする!
(ズッシャズッシャズッシャ・・・・)
「ふきゅう!あぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ハハハ、どうだ気持ち良いか?」
「はいぃぃ気持ちいいですぅぅぅ!!」
(ダメ・・・・もう頭が・・・・)
「従順、感度良好、名器、かなりの高値が付きそうだ!」
「あはぁあ気持ちいいぃぃ!!」
(キュウ!)
「うっ締まる!もう持たない・・・・出すぞ!」
「!・・・・駄目ですぅ中はだめぇ!」
「もう手遅れだ!」
(ドクン・・ドクンドクン)
「あぁあぁぁぁぁぁ!!・・・・・・」
「気絶したか・・・仕方ない、おい!」
「はっ」
「連れて行け」
「承知!」

「ふぅ・・・久しぶりの上玉どの位で売れるか楽しみだ・・くっくっくっ」
「アリアス様!」
「何事だ騒々しい」
「はっしかし緊急にお伝えせねばと思いまして・・・・」
「・・・・かまわん話せ」
「はっ先ほど入った情報ですが村でドリムを見たと」
「何?・・・・フフフフ、ハッーハッハッハッ!」
「アリアス様?」
「ついに姿を現したかあの生意気な男が!面白い実に面白いぞ!」
「していかが致しましょう?」
「捨て置け」
「はっ?」
「捨て置けと言ったんだ、多分奴はあの娘を探しているはずだ、ならばこちらからわざわざヒントを与える必要は無い」
「はっ仰せのままに」
「さあ来いドリム今度こそ消してくれるわ!」

その17 かからさん

ココナはぐったりとしたまま、また牢屋に入れられてしまった。
「はっ・・・。ここは・・・?また牢屋だ。まだなんかくらくらする・・・。」
がらっ
「?」
「おい!飯だ!食え!」
小さな窓から粗末なパンやらミルクやらが出できた。
(ん・・・かたっ。みんな今どうしてるんだろう・・・寂しいな・・・)
堅いパンとミルクを飲み終わると急にまた体がうずいてきた。
(あぅ・・・また・・?なんだかさっきより強い・・・。)
そしてココナはまた調教部屋に連れていかれたのだった・・・。

その18 134

一方、途方に暮れるミリルたちは、バンガローに戻りなんとか対策を練りだそうとしていた。
あれから数時間、時間はすでに夜を迎えようとしている。
奴隷商にさられたココナが、今どんな目に遭っているのかを思うといてもたってもいられなかったが、歩くには広いこの島を無闇に探せるほどの余裕があるとは思えなかった。

リナとドリム、そしてローグの語ったところによると、そもそもこの島への客船のほとんどは、奴隷商の組織に乗っ取られているのだと言う。
船に乗った時点で「値踏み」が始まり、組織の頂点に立つ男の目にかなった女の子たちは、さらわれては性奴隷にされる。
そして、その事実は事件として扱われることは無く、自然と隠蔽されていく。
まさにこの島は「楽園」、人々にとっての、ではなく、組織にとっての楽園だったのだ。

「船に乗った時点で、ココナちゃんは目をつけられていたのね……
それで、島に着いたら奴隷にされて売られるなんて、なんて酷い」
「……待てよ」
ミリルの言葉に重なるように、ローグが不意につぶやいた。
「売られるんだ」
「え……?」
4人がローグに注目する。
「そう、売られるんだ。さらわれたあの子は、必ずオークションにかけられる。
オークションの会場となる場所はなんとか覚えているから、そこに侵入できれば、救い出すチャンスが生まれるはず」
「……それまで、ココナちゃんがどんな目に遭ったとしても、耐えるしかないの?」
「でも、何も出来ないよりは良いと思います。それに、そこから組織の基点を探し出せる可能性もないわけじゃないですから」
ドリムが賛同する。ミリルは苦虫を噛み潰すような思いだったが、わずかな可能性があるならそれに賭けるしかなかった。
「わかった。じゃあ、今すぐその場所に案内して」

その19 geitoさん

「よし、なら早速………!?」
「どうしたの?」
「しっ静かに……」
言われるがままに口を塞ぐ4人、すると少し遠くから砂浜を歩く音が聞こえた。
「……3人か、しかもかなりのやり手だな」
「3人?」
「奴らですね」
力が入るドリム、だがそれをローグが止めた。
「ドリム、お前は3人を連れてオークションの方へ行くんだ」
「何言ってるんですか、貴方抜きでどうやって行くんですか!?」
「俺の制約している精霊を貸す、まぁ向かう時も呼び出すつもりだったが…」
そういうとローグは両手を合わせ、呪文を唱える、やがてローグの手が離れその間に、緑色の丸い光が現れた。
さらに離れた両手でその丸い光を支えるようにした。
やがて光から妖精の女の子が現れた。
「リリィ、頼みがある」
「何でしょう? ローグ様」
「ぐっ、その様付けはやめてくれ、まぁいいや、彼らを4人をオークション会場に連れてってやってくれ。」
「オークション会場って、あの遺跡ですか?」
「ああ、そうだ 頼むぞ」
「分かりました、よろしく、皆さん」
「その子なら場所を知ってるはずだ、そこの窓から抜けて会場に向かえ!!」
「分かったわ、じゃあ教えてリリィさん」
「はい、こっちです」
リリィは窓から出るとその後をミリル、シリル、リナと続いた。
最後にドリムが出ようとしたとき、ローグが口を開いた。
「ドリム、聞きたいことがある、捕われた娘の記憶は、大丈夫だろうな?」
「大丈夫、みんな消えてませんよ」
「分かった、なら早く行け!!」
ドリムが窓から出たと同時にローグも、入り口に向かっていった。
会場に向かう途中
「ねぇドリム、ローグの奴、かなり記憶のこと気にしてたけど、なんで?」
「それは…」「記憶が消えた方が、性奴隷になりやすいからよ」
リナが割って入る、記憶があるかないかによって性奴隷の器も変わる。 悲しい思い出を思い出すかのようにリナは話した。 4人はリリィの案内の下、会場へ向かう。

一方ココナは両腕を後ろに寄せられ、息を荒くしていた。
「この娘が、今回の調教する娘かい?」
「はっイリアス様」
「はいよ、初めまして、子犬ちゃん、今回の調教相手だよ」
思わず体を震わすココナ。
「さて、始めましょうか。 あらら、媚薬を飲んだとはいえもう、こんなに濡れてる」
イリアスもまた秘所に指を当てる、そのたびに体が跳ね上がる。
「随分と出来上がってるわね? これならもう大丈夫でしょう」
そういうと、イリアスは、赤い何かを取り出した。耳をすますブーンと音が聞こえる。 バイブだった。
「そこの貴方? この子犬ちゃんの胸の相手をしてやって」
「はっはあ」
男はココナの裏へ回ると、胸を揉み、乳首を攻める。
「ふぁ、あぁ…」
「胸を触られただけでここまで、アリアス様の報告通りだわ、これは楽しみ」
そう言ってイリアスはココナの秘所にバイブを入れ始める。
「いやぁ〜入れないで下さい」
(嫌なのに、足が勝手に…
「ウフフ、御口と体が違うことしてますよぉ」
「やあ、あん、やっ、いれな、ふあん」
「ほうら、じっとしてて、行くよ、それ」
「ふあ ふああああぁぁぁぁ」
 (いやぁ、またぁ…)
「さて、何回達するかしら?」
イリアスはバイブにスイッチを入れる。 
「ふあ、あぁぁぁ、ぬっ抜いて、抜いてくださ、あぁぁぁ」
バイブが容赦なく暴れる。
「もう駄目、イク、イっちゃいますぅ」
「1発目ぇ〜」
ココナの体が跳ね上がり、絶叫を迎える、しかし、それで終わりじゃなかった。
「ひいぃ、イったばかりなのい、また、イくぅん〜〜」
「2発目ぇ〜」
その後も、イリアスは、バイブと胸攻めとやめさせなかった。 そして、ココナは幾度と無く絶叫を迎える。
やがて、ココナが虚ろ目になってきたことに気付いた。
「あらら、これ以上やったらまずいわ、これをとってっと」
バイブを抜く、ココナはそのまま後ろの男に背中を預けている。
「気絶してるわね、貴方、その子犬ちゃんを牢屋にもどして、私は、アリアス様に報告するから、もう仕上げに入っても大丈夫だって、フフフ」
「はっ」
男はココナをかかえ牢屋へ戻した。

その20 娯楽人さん

(ギ〜〜ガッシャン)
「う〜ん・・・・ご主人さま・・・」
「・・・・寝言か?・・・・・」
(・・・・いや未だだ、行動を起こすのには未だ早い・・・・)
「ニアキス様、アリアス様が呼んでます」
「わかった今行く・・・・」(・・・・すまない)

「さて、あの亜人の娘だが状況は?イリアス」
「はい、あの子犬ちゃんの開発は順調そのもの、もう最終段階に入ってもいいと思うわ」
「ふむ、ならばあの娘が起き次第、最終調教に入る!」
「失礼します、」
「来たか、あの娘は?」
「はっ、ぐっすり眠っております」
「フフフ、ちょっと激しくやりすぎたかしらねぇ?ニアキス?」
「はい、少々度が過ぎてたと存じます」
「フフフ、そういう正直なとこ好きよ、ウフ」
「・・・・ちょっと席を外せ、イリアス」
「またぁ?もう、アリアス様ったらいつも私ばかり仲間外れにするんだから!」
「・・・・イリアス?」
「・・・・わかったわよ・・じゃあ部屋でお化粧直してくるわ」
(パタパタパタ・・・・ギ〜バタン」
「アリアス様も大変ですね」
「全くだ、さてお前に聞きたいことがある」
「何でしょう」
「あの娘を取り返したい輩がいるらしい、お前がそいつだったらどうする?」
「私でしたら、ここの情報を知っている奴を探し出して吐かせます」
「ふむ、いい解答だ、だが俺は追手は放っていないその場合は?」
「そうですね・・・・ここの場所が判らないならオークション会場を探します」
「オークション?その輩が会場に現れると?」
「私でしたらね、その輩の賢さにもよりますが?」
「ふむ・・・・分かった、今日はもう遅い休んどけ」
「はっ、では失礼します」

その21 geitoさん

(未だだ、今事を起こしても、奴らの的になるだけ、やはりオークションまで待たねばならないのか?)
「あのーすいません」
「ん? どうした?」
「牢屋に行くルート教えてくれませんか? 見張りの交代で向かってたんですけど迷ってしまって」
「君は新人か?そこの階段を下りた先だが?」
「ありがとうございます。ええ 入って半年になります」
「そうか、早く施設を覚えるんだな」
「はい、では失礼します。」
(……自室に戻って考える前にもう一仕事する必要がある様だな)

(ぐっすり眠ってるな、さて、昔逃げた隠し通路はって…)
「なんだこりゃあ」
先ほど二アキスに牢屋の場所を聞いた黒いローブを来た組織の新人は、行き止まりに、鉄屑の山を見て呆気にとられていた。
「うっう〜んなんなんですかぁ?」
「やべっ起こしちまったか」
ココナのいる牢屋の前にローブの男が立つ。同時にココナは捕まってる部屋の奥へ後ずさる。
「こっ今度は何をする気ですか!?」
(参ったね、まぁこんな格好じゃあ当然か)
「大丈夫、何もしないよ」
「信用できません」
「ふぅ、なら顔見せれば信用してもらえるかな?」
そう言って、顔を被っていたローブを半分持ち上げる。
「あっ貴方は」
ローブの男の正体は、ローグだったのだ。
「どうやってここが分かったんですか?」
「バンガローにやり手の見張りが3人来ていてね、そいつらに吐かせてここに来たんだ」
「じゃあミリルさん達は」
「あの子達も無事だ、もう少し我慢すれば会えるさ」
ココナに笑みがこぼれる、しかしそれはすぐに崩された。
「さぁ、追ってが来る前に…」
「そこまでだ」
「「!?」」 同時に驚く
「悪いな、新人は牢屋の見張りはやらせてないんだ」
「くっ」
「動くなよ、動けばこれでズドンだ」
「……魔銃か、今時まだ使える奴がいたとはね」
「ほう、これを知ってるのか、惜しいな、少し長生きさせてやろう、そのローブを取れ」
「嫌だと言ったら?」
「このまま、射抜くだけだ」
「なら少し、長生きしたいね、いいぜ」
そう言ってローブをとった。
「そっそんな馬鹿な、何故貴方が!?」
「どうした?撃たないのか?」
「しっしかし、あの人は死んだはず、でも、間違えるはずが無い!?」
首をかしげるローグ。そして、衝撃的なことを言い出した。
「ネリアス様!!ネリアス様でしょ!?」
「なっ!?」「えっ」再び同時に驚く
「ネリアス様でしょ!?私で……んぐっ!!」
「馬鹿、こんなとこで、その名で呼ぶんじゃない。」
ローグはココナを見る、目は完全に疑いの目だった。顔を叩くローグ。
「嘘だったんですね」
「違う、俺は本当にこいつとは無関係だ」
「もう、信用できません」
プイっと顔を横に向けるココナ、二アキスは呆気に取られていた。
「なんだ?そこの娘が覚めたのか?」
「ちっ手下か」そう言って、ローブを掛け直すローグ。
「目が覚めたか、来い」
「嫌です、もう嫌」
「やめろ、嫌がってるじゃないか」
「邪魔だ、どけ」
突き飛ばされるローグ。
牢屋の鍵を開け、ココナに迫る、ココナは部屋の奥で脅えている。
「抵抗するか、やむ終えん、安心しろ、すぐにそれも快楽と消える」
そういうと、手下は、ココナの両腕が後ろに回ってる事に気付いた。
手下は、錬金術を唱えると、ココナの両腕を鉄物で抑えてしまった。
そして、軽々と持ち上げ牢屋の部屋から出てくる。
「その子を何処へ」
「二アキス様、我々の仕事をお忘れですか?」
「くそ、待ちやが…」
二アキスが止める。
「何故放っておくんだ」
「ここで内乱を起せば、貴方が的になります。 貴方一人でも、ここの組織の人数は把握してるでしょう?」
「くっ」
「ネリアス様、私の自室に来て下さい、ある計画を教えます。」
「それで、あの子を救えるのか?」
「もとよりそのつもりです。さぁ、こちらへ」
「分かったが、その前に言っておきたいことがある」
「なんですか?」
「ネリアスなんて呼ぶな、それは捨てた名前だ、ローグと呼べ」
「分かりました、ローグ様」
「様もつけるな、昔見たく“さん’付けでいい」
「はっはあ」
自室へ向かう二アキスとローグ、

一方ドリム達は。
「着きました、ここです。」
「ここが、オークション会場となる遺跡」
「なんだか薄気味悪い」
「大丈夫よ、シリル、私が付いてるから…(夜だから余計に雰囲気が出てるのね、私でも怖いわ)」
「うっ」
「大丈夫、リナ?」
「うん、ちょっと嫌な事を思い出しただけ」
「貴方と一緒にこの島に来た方達ですね。あのオークションは、悲劇でした、彼女がイクギリギリまで、相場争いしてましたから」
「どういうこと?」
「オークションの手順は、性奴隷となった娘がイクまでの間が相場争いなんです。そして、性奴隷がイった時、最も高い値を上げた者に渡るのです。」
「ひどい、イクまでなんて」
リリィの説明にミリルが怒りを見せる、ココナも同じようにされると思うのが、溜まらなく悔しく、悲しいのだ。

その22 ブローノ・ブチャルティさん

そんな自分が、目の前で、親友であるココナの陵辱を黙ってみていられるはずはなかった。
「オークション会場に行くにはここの道を必ず通ります。
想像したくありませんが、ココナさんが会場にいったん入ってしまったら、そこでもうアウトです。」
会場には奴隷を買いにくるものが大勢いる、
そこでココナを取り返すのは不可能ということだろう。
リリィは出来るだけ感情の殺した声で説明した。
「場所はここでいいと思いますが、問題は方法です。
ローグに精霊を借りたからといって、貴女は使うのは初めてでしょう?
下手したら返り討ちになりかねません。」
ドリムは、慎重に現在の問題を指摘した。
確かに精霊を使えば、三人ぐらいすぐに片付くだろう。
だがそれは攻撃が通じた場合だ。精霊を使った呪文はコントロールが難しく、熟練者でもはずす場合がある。
今回初めて使うリリィにはとてもじゃないが無理であろう。
「でも当てれば、勝ちなんでしょ?あらかじめ魔方陣を作っておいて、私がおとりとなり誘い出す。
そして相手が入り込んだところで一気に叩く、ていうのはどう?」
ミリルの提案に、ドリムは反対の声を上げる。
「危険すぎます!もしそれで失敗した場合は貴女まで……」
そこでドリムの反論がとまった。目の前ではミリルが今まで、
シリルにですら見せたことのない顔で微笑んでいたからだ。
「大丈夫。修羅場には慣れているから。」
刃のような鋭い光を宿したミリルの瞳には、捕食者を思わせるような凄みがあった。

その23 娯楽人さん

「・・・・分かりました、ミリルさんその方法でいきましょう」
ドリムは仕方なくミリルの案を受け入れることにした
彼女の変貌ぶりを気にしながらも・・・・

そしてドリム達が罠を製作しているころ、
ココナの最後の調教が始まろうとしていた。
「さ〜て、ご機嫌いかが?子犬ちゃん?」
「気分がいいわけないです!」(ぷいっ)
「あらあら、反抗的ねぇ?まあこれからはそんなことも考えられなくなるわ」
「・・・・どういうことです?」
「だから、そんなこと考えられなくなるの最後の調教でね骨の髄まで快楽に染まるわよぉ!」
「終わった後はどうなるんです!?」
「それはね・・・」
「そこまでにしろイリアス全て話したらつまらん」
「は〜い、アリアス様じゃあね子犬ちゃん♪」(ガチャ、ギーバタン)
「全く騒々しいオカマだ・・・・さて始めるか、」
アリアスがココナに近づく
「いや!来ないでください!!」
「残念ながら今回の相手は俺ではない」
「え?」
「我が召喚に応じよ淫獣ベサルオス!!」
「・・・・グギャァァァァァ!!」
ココナの前に現れたのは一つ目の岩のような魔物
そいつの周りには触手がうごめいていた
「うぅ気持ち悪いです」
「その内、嫌悪感すら無くなるさ・・・・さあ宴の始まりだ!」

その頃ニアキスの自室では・・・・
「それで、計画とは何だニアキス?」
「この組織を壊滅させる計画です」
「壊滅?馬鹿な、俺たちだけでは到底無理な話だ」
「それが可能なんです、まずはこれを見てください」
「これは?」
「ここの全体図です、そしてここには?」
「湖だよな?・・・・まさか!お前!ここを沈めるって言うのか!?」
「ご名答です、そうオークションの日にこの施設ごと湖の底に沈んでもらいます」
「だがそんな事したらさらわれた娘達はどうなる!?」
「そこでローグさんの出番なんです、私は表立って動けませんからこれををさらわれた娘達に掛けてきてください」
「これは?」
「水中で息が出来るペンダントです、これさえ有ればここが沈もうとも生きてられます」
「・・・・分かったじゃあ早速準備を始めるぞ」
「はい!」

その24 geitoさん

ローグと二アキスは最後の牢屋の部屋に捕われていた娘達にペンダントを配り終えた。
「いいね、これを絶対にはずさないように」
「あの、貴方は?」
「フフフ、正義の悪魔さ」
そう言って立ち上がった直後だった。
ビービー
鳴り響く警報、同時に手下の声も響いてきた。
(オークションルート方面にて侵入者、侵入者はドリムと少女が3人、繰り返す、………手の開いてる者は直ちに…)
「どういうことだ!?」
牢屋の外で見張っていた二アキスも顔を変えてローグを見た。
「あの馬鹿が、あいつらで何か考えてやがったな」
「くそ、これでは計画が実行できない」
「いや、まだだ、沈める計画を早めろ」
「えってちょっと、何処へ?」
「お前の言っていた物は全員に渡した、俺はやり残したことを片付けに行く」
「ちょっと、ローグさん!?……やれやれ、独自の判断で動くのは変わってないなぁ、了解 なら準備に掛かるか」

一方調教部屋では。
(アリアス様、このままでは兵が削られるばかりです)
「イリアスをそっちにまわせ、俺は忙しいんだ」
(了解)
「淫獣ベサルオス、続けろ」
既に二本の触手がココナの両腕を捕えて持ち上げている。そして、一つの触手がココナの秘所に入ろうとしている。
べサルオスが意を決したとの時、一つの雷の閃光がべサルオスの目玉を捕えた。
目玉を塞がれた直後、触手の力が弱まり、下へと落ちてゆくココナ、地面に落ちる直前ココナの体がふんわり浮いて地面に付いた。
「くっ落ち着け、べサルオス!!」
目を奪われ、痛みが堪えられないべサルオスは調教部屋で暴れまわる。そして、べサルオスが一瞬止まった瞬間、べサルオスはそのまま崩れ去った。
ココナは体制を整えると目の前に男が立っている事に気付いた。
「これを持って逃げろ!!」
「これは?」
「説明してる暇は無い、急げ!!」
は男の持っていたペンダントを無理やりココナの首にかけさせる、そして出入り口へと向かわせる。
「くっ待て」
「悪いが行かせねぇよ」
アリアスの前に先ほどの男が立ちふさがる、やがて煙が晴れてくるとお互いの正体が分かってきた。
「久しぶりだな、アリアス、いや アリアス様か?」
「貴様は、ネリアス!! そうか貴様がドリムと内密していたのか!!」
「さあてね、それより、決着をつけるぞ、アリアス!!」
「フッ昔はお互いがこの組織の頂点を目指そうと頑張ったのに、貴様と戦うことになるとはな」
「貴様を殺らなければ、俺の犯した罪が償えない、行くぞアリアス!!」

そのころドリム達は
「何とか進入出来ましたね。」
「ココナさんはどこにいるんでしょうか?」
「多分牢屋でしょうそこに行きましょう」
「それじゃ、そこに……きゃあ」
ミリルが男に地面に抑えられる、
「捕まえたぞ、進入者め!!」
「くっ離してって何処触ってるのよ!!」
「お前、女か、こりゃあいい少し楽しもうぜ」
男は片方の手で胸を掴みもう片方の手を尻に持って行こうとする。
「みーちゃん、あっこれは」
シリルは、隅にあった、鉄箱を持ち上げるとミリルを捕えてる男に近づく。
「えい」っという声を同時に鉄箱を男の頭に叩き付ける。鈍い音とともに力が弱まったところをミリルが肘で殴ってどかす。
「ありがとう、シリル」
「てへへ」
「急ぎましょう、何か嫌な予感がします。」
ドリムの声の元、二人の攻撃で伸びた男の服から地図を取り出し。アジト内を探り始める

その25 娯楽人さん

「よしっ!これで準備完了!あとは時間が来ればここは湖の底か・・・・っと感傷に浸ってる場合じゃない!急がなきゃ!」

「ココナさ〜ん!」
「くーちゃ〜ん!」
「居たら返事して〜!」
・・・・・・・・・し〜ん
「ダメだ、何処にいるんでしょうココナさん・・・」
「もしかして調教部屋かも!行こうお兄ちゃん!」
「そうはさせないわ、ここで貴方たちは終わりよ!」
「イリアス!・・・・貴方には邪魔はさせない!」
「邪魔も何も私は時間稼ぎ、もうすぐ子犬ちゃんの調教が終わるんだからここで大人しくしててもらうわ!」
「!・・・ミリルさんここは私が引き止めますから早くココナさんの所へ、リナ案内を頼む」
「わかったわ」
「でも!ドリム!」
「行くんだ!!」
「!・・・・わかった、死なないでね」
「勿論です、だから早く!」
「こっちよ、ミリルさんここから行けるわ!」
「待ちなさい!逃がさないわよ!」(ビュン)
「貴方の相手はこの私です!ウォール!」(ブン)(カキン)
「ちっ・・いい度胸ねでも一人で私に勝てるかしら」
「試してみましょうか?イリアス殿?」
「ムキー!その呼び方が一番ムカツク!徹底的に殺してやる!!覚悟しろ!」
「覚悟ならもうしてますよ・・・・貴方を倒します!!」

一方調教部屋ではアリアスVSローグの死闘が繰り広げられていた
「食らえ!!」(ブン!)
「そんなもの!」(カキィン)
「ウリャァァ!」(ブォン!)
「ウオォォ!」(シュン!)(キン、カキン)
「しまった!」ローグの剣は部屋の隅に吹っ飛ばされた!
「ハァーハッハ勝負あったなネリアス!」剣を喉元に突き付け笑うアリアス
「くっ!殺したければ殺せ!!貴様に助けられたくは無い!」
「まだ殺さん地獄の苦しみを味わってから死んでもらう!この禁呪でなぁ!」
「まさか!やめろぉ!」
「問答無用!デジョルバ!!」
「うわぁぁぁぁ・・・・・」(シュゥゥゥン)
「・・・・ハハハハハ勝った!!あのネリアスに!!ハハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・・ゴフッ!・・・・・」(バタン)
(湖の爆発まであと3分・・・・)

その26 かからさん

「イリアス殿、本気を出させていただきます。」
「その前に殺してやる・・・・!」
ガキィン!
「障壁魔法!?」
「炎帝よ、呼び声に答えよ。我に従い我が敵となるものを討て、紅焔の華!」
「はぁ・・・バカねえ。この程度?水よ、我が盾となれ。」
バシィ!
「まだまだ!雷帝よ、呼び声に答えよ!我が敵を斬り裂く剣と慣れ!斬雷!」
「・・・。氷帝よ、呼び声に答えよ。静かなる死を。氷槍。」
ドゴォッ!
「ぐあっ!」
「ドリム、私をなめてるの?」
(くそっ魔力は残しときたかったが・・・しかたない。)
「イリアス・・・私の命を削ってでもあなたを倒します!」
(・・・・何をするつもり・・・?)

その27 geitoさん

イリアスと激戦の中ココナはと言うと。
「うに〜ここ何処ですかぁ〜夢の中でも迷うし、なんだか私迷いっぱなしです〜」
ぶつくさ言いながらあっちらこっちらとうろうろしていた。
その時だった。
「ぁっ」
「お前は!?何時調教部屋から出たんだ!!」
「待て、今捕まえてアリアスに報告したら直ぐ返すことになる、ここは少しあの娘で遊んでからの方が…」
「……その話乗った、だがどの道、奴を捕まえなければ話にならん、行くぞ」
「ひっ」
3人の兵がココナに向かってくる、今兵の手がココナにかかるその時だった。
(ドドドーーーン)
「「「うわああぁぁぁ」」」
ココナの後ろから、黄色いレーザー見たいなのが3人の兵を捕えた。ココナの後ろにはなんと二アキスがいたのだ。
「全く、魔銃に魔力を練る時間も考えて欲しいものです。」
「貴方は!!」
「君は、待て、逃げるなよ」
「離してください、貴方のここの人達の味方なんでしょ!!」
「違う、今3人を倒したのは私です、信じて、あの時ネリア……いえ、ローグさんに突っかかったけど彼は、ここの仲間ではないんです。そして私も一緒でここの仲間ではないんです。」
「信じきれません!!」
「弱ったな、なら君の友達が見つかるまで、一緒にいさせてくれ、君一人じゃ危険だ。」
「良いですけど、襲わないで下さいよ」
「……… とりあえず、これを
って君、何時ペンダントを?」
「私を助けてくれた人から貰ったんです。」
(助けたのは…もしや…ネリアス様?、ネリアス様、貴方は死ぬ気ですか、貴方は予備を持ってなかった、つまり貴方は自分のをこの子に渡したのですか。)
「…とにかくそれを絶対にはずさないで、でないと危険だから」
「分かりました」
「よし、とにかく君の友達を探そう、時間がありません。
ひとまず、こちらは出口近くではないので一度調教部屋の法まで戻りましょう。」

その頃ミリル達は
「あそこです」
「行こう、くーちゃんが心配だよ」
「お前らは!! 3人の侵入者か!!」
「こんなときに!!」
ミリルが前に出る、っとその時ミリルよりも早く、緑色の球体が、兵を押し倒した。同時に3人も声を上げた。
「「「リリィ!!」」」
「もう、案内と進入が終わったら私はお払い箱ですか!?」
「そんなことないって、とりあえず落ち着いて、リリィ」
リリィはプンスカと怒っているが、短時間で落ち着き、ミリル達と共に、調教部屋へ入る。
そこは、何かが崩れた岩と力の抜けた触手、さらにその近くに人が倒れてるのが分かった、4人は倒れている男に近づく、近くに来た時、リナの顔色が変わり、後ずさる。
「どうしたの?リナ?」
「この人は……ここの総司令官…アリアスです!!」
「「ええっ!!」」
「でも、何かあったのでしょうか?この荒れよう、誰かとやりあったみたいですよ」
「うっう〜ん」
「目が覚める!?でもこれはチャンスかも」
そう思ったミリルは、ローグの時と同じように胸座を掴んで持ち上げる、やがてかなり疲れながらも、アリアスは意識を戻した。同時に、ミリルが声を上げた。
「ココナは何処!!」
「ココ…ナ?、あぁ…あの…娘か…、あの娘なら、今頃、このアジトの何処かをうろちょろしてるさ」
「行き違いになったんだわ!!」リナが声を上げる。同時にリナはアリアスに質問した。
「ここで、何があったの? 貴方ほどの人がここまでになるなんて…」
「フッフフフ、おっ俺は、ついに、ネリアスを超えた。実戦訓練でも一度も勝てなかったあいつに俺はついに勝ったんだ。」
「嘘…でしょ」
「ねぇリナ、ネリアスって誰?」
「ローグさんの本当の名前で、私を逃がすさいに捨てた名前でもあります。」
「えっじゃあローグさんは…」
「あいつは、俺の術で地獄を味わっている、もう奴は助からん、フフフ、フハハハハハ」
「そっそんな」
「リリィちゃん!?」
「すぐにローグを戻しなさい!!」
「無駄だ、禁呪から逃れる方法は不明とされて…いる
…ククク、俺も…そろそろ命運か、我がアジトに…栄光有れー」
アリアスはそういい切ると、そのまま力尽きた。
「リナ、ローグのこともあるけど、今はくーちゃんを探そう」
「……はい…」
「シリルさん、貴方のポケット、少しの間借りてもよろしいですか?」
「えっどうして?」
「落ち着ける場所が欲しいんです、ポケットの中ならあまり振り落とされる事もないから」
「分かった、少しだけなら」
「ありがとう」
リリィは体を小さくするとシリルのポケットの中へと入っていった。
「ともかくココナちゃんを探そう、一体何処にいるんだろう?」

その28 ブチャルティさん

ミリルの頭の中では最近起きたことがぐるぐると回っていた。
いまだに行方が分からないココナのこと、時空の狭間に飛ばされたローグのこと、そして、自分たちを進ませ今もなお戦い続けているドリムのこと。
「ごめん、ちょっと待ってくれる?」
最初はココナを助けることばかり考えていた。でも今の状態で全く周りを省みずにココナを助けることはいけない気がする。
何とか全員助かる道はないものか、そう悩み続けるミリルの中にある考えが浮かんだ。
ミリルはシリルのポケットに向かって呼びかけた。
「ごめん、リリィちゃん。今出れるかな?もしかしたらローグさんを助けられるかもしれないの。」
少しの沈黙の後、わかりました、と言う声が聞こえ、リリィがポケットの中から出てきた。リリィはポケットから出ると、元の大きさに戻り
「どうすればいいんですか?私ローグ様を助けられるのならなんでもします。」
といった。
目を泣き腫らしながら、それでもすがるようにミリルを見つめるリリィにミリルは先ほど浮かんだ考えをゆっくりと話した。
「リリィちゃん、さっきローグさんから精霊を借りたでしょ?その精霊二重召喚できないかな?」
「えっ?」
リリィはミリルの意図が読めず聞き返す。
「ここで召喚しながら、ローグさんがいる場所にも召喚するの。そうすれば、短時間だけだけどこことローグさんがいる亜空間がつながるわ。」
「あっ!」
リリィはミリルの意図が分かったらしく、思わず声を上げる。
二重召喚とは二つの異なった場所で全く同じ精霊を召喚し、効果を発生させる技だ。
しかしその場合、魔力は二倍消費するのにもかかわらず、それぞれの場所で発生する効果は半減する。
ルティいわく、水のたまった容器に穴を一つ開けた場合と二つあけた場合、一つの穴から出る水の量が穴を二つあけた場合は穴一つに対して半分しかないのと同じことらしい。
今回ミリルが閃いた事は召喚時に精霊が出てくるゲートをここと亜空間のトンネルにする、というものだ。
借り物の召喚魔法は精霊を通じて貸主と借主はつながっており、借主は貸主の下に召喚をすることができる。
そして、その召喚はその相手がどこにいようと相手の場所に召喚することができる。たとえそれが亜空間であっても。なぜなら、召喚魔法はもともと異世界に存在する精霊やエネルギーをゲートを通じて召喚するものだからだ。
だが、この方法にはいくつか問題がある。
「リリィちゃん、二重召喚ってできる?」
二重召喚はその効率の悪さにかかわらず、高等な技術を必要とする。
召喚魔法をはじめて使うリリィが成功させるのは奇跡に近い。
だが所有者と契約した者しかその召喚魔法を使うことが出来ない以上、ここはリリィがやらなければならない。
「大丈夫です。きっと…いえ、必ず成功させて見せます。ローグ様のためならきっと成功させます。」
リリィは緊張した、だがどこか吹っ切れた様子で力強く答えた。
「リリィ、私の魔力も使って。」
リナもさっきまでの沈痛な表情から、希望を見つけた力強いものになっていた。
これで、ゲートを作る問題はとりあえず片付いた。次はゲートが開いたとき誰がローグを助けに行くかが問題になる。
リリィとリナは召喚に集中しなければならないため外すとなると、自分かシリルしかいない。
自分が行くのが適任だと思うが、行っている間、向こうで敵が襲ってきた場合、戦えるものがいない。
かと言って、シリルにそんな危険なことをさせるのは絶対に出来ない。
また、その間はココナを助けることも、ドリムに加勢することも出来ない。
そのことについて再び悩み始めたミリルのもとに聞きなれた声が飛び込んできた。
「ミリルさーん!」
一瞬聞き間違えかと思ったがそれは確かにココナのものだった。
声の先を見るとそこにはこちらに向かって走ってくるココナの姿が見えた。
「くーちゃん!」
シリルが勢いよく飛び出していき、ココナに飛びつく。
「くーちゃん、ごめんね。シリルのせいで…」
シリルはなきながら、ココナに謝った。表には出さなかったが、自分のせいでココナが連れて行かれてしまったことをずっと思い悩んでいたのだろう。
「ぜんぜん平気ですよ。心配しないでください。」
そう言うココナの目にも涙が浮かんでいた。
これでココナのほうは大丈夫だろう。ミリルはほっと胸を撫で下ろした時、ココナの背後から誰かが近づいているのに気づいた。
「ココナ、シリル、そこから離れて!」
ミリルは勢いよく飛び出すと疾風のごとく相手に向かっていった。
敵はその行為に完全に意表をつかれたらしく、一瞬硬直する。ミリルの研ぎ澄まされた目はその隙を見逃さない。
一気に間合いをつめ、拳を相手のこめかみに向け、発射しようとしたとき、
「待ってください!ミリルさん、その人は悪い人じゃありません。その人は私を助けてくれたんです。」
相手にあたる寸前にミリルは拳を止めた。巻き起こった風が遠くにあったカーテンをなびかせる。
相手は驚きの形相を浮かべたまま硬直していた。ミリルは手は引っ込めたが、相手に背を向けることなくココナに
「それ本当?敵じゃないの?」
と聞いた。
「うに〜っ、多分ですけど…」
いまいち確信が持てない、といったココナの返事が返ってきた。
だが彼が味方だとすれば、全ての問題が解決する。ミリルは相手に向かって
「信用していいんだね?」
とたずねた。
相手は顔をただし、ミリルに動じることなく、
「信用してください。私もネリア…ローグ様についていくことに決めましたから。ところでローグ様は?」
普通なら信用はできながったが、先にローグの件があったことから、ミリルは相手のことを信用することにした。
ミリルは現状、そしてこれからしようとしていることをニアキスに手短に話した。現在人手が足りないことも含めて。
ローグが亜空間に飛ばされたことを聞いたときにはひどく動揺したニアキスだったが、救出策を話し始めると、ニアキスの目にも希望が浮かんできた。
「亜空間に入ってローグ様を救出するのは私がやります。あの人には色々恩がありますから。」
これで、ローグ救出の役者もそろった。
ミリルが、二重召喚のやり方をリリィに説明し、リリィが召喚のための詠唱し始めたとき、ミリルは忘れかけてたもう一つのことが気になり始めた。
──ドリムさん大丈夫かなあ
おそらく大丈夫だと思うが、気になりだすととまらないミリルは、次第に頭の中がそのことでいっぱいになり始めた。
──詠唱から召喚までは結構時間がかかるし、場所も近いから行って帰るぐらいなら…
ミリルはそばにいるニアキスに
「ごめん、私ドリムのほう見てくるかその間みんなを頼める。」
と言い、相手の答えを待たずにそのまま飛び出していった。
ニアキスが裏切らないか不安であったが、今は疑って監視をするより信じて自分はドリムを助けるほうに行ったほうがいいと思った。
誰かを助けられる力があるのに、その力を使わず後で泣きを見る、ミリルはそんなことはしたくはない。
ミリルはドリムと分かれた場所に向かい駆け出した。

一方ドリムとイリアスの戦いはいまだに続いていた。
「嵐雲から出し雷獣よ、その鉤爪で地を引き裂かん!」
ドリムの掌から雷が迸る。イリアスは網のように張り巡らされた雷を縫うようにかわし、同時に詠唱に入る。
「闇を住処とし狂気を食らう夢魔どもよ、その痛みを解き放て!」
ドリムは詠唱が終わる前にすばやくその場を離れた。詠唱が終わった瞬間先ほどドリムがいた空間が歪みだした。
「まだよ! 大気に潜みし炎の結晶よ、光の矢となりて敵を討て!」
「くっ、 心冷たき王妃の吐息よ、氷の刃となりて大地を切り刻め!」
ほぼ同時に詠唱が終わり、発生した火の玉と氷の刃が激しくぶつかり合った。しばしの硬直の後、突然ぶつかり合った空間がはじけた。
「うわっ!」
ドリムは弾き飛ばされ後ろの壁にたたきつけられる。一方イリアスも吹っ飛ばされたが、空中でひらりと身を翻し、たたきつけられることなく着地した。
──強い…!
「ドリムゥ、あんたの本気ってこんなもん?だとしたらたいしたことないわね。」
近づいてくるイリアスに対してドリムは起き上がろうとするが、先ほどの衝撃が残っているせいか、うまく身体が動かない。
イリアスはドリムが立ち上がれないのを見ると残酷な笑みを浮かべ、ゆっくりと自分の射程距離まで近づいていった。
「あんたとは色々あったけど、これっきりでお別れになるって言うのは残念ね…」
ねちっこく発せられたイリアスの言葉にドリムは歯噛みする。
「…さよなら!! 愚かな血を流す者を常世の闇へ葬らん…」
──くそ、立て、立つんだ!俺はまだしなければならないことがたくさんあるだろう!まだ死ぬわけにはいかないだろう!

ドリムは力を振り絞って、ゆっくりと立ち上がる。だがそれまでだった。足元はふらつき、次の魔法をかわすことは出来そうになかった。
──これまでか…。
絶望に沈みかけたそのとき、
「ドリムさん!!」
ミリルが勢いよく戻ってきた。
「あら、今度は子猫ちゃん?今晩のオークションは盛大になりそうね。」
イリアスはミリルに気づくと詠唱を中断し、ミリルのほうに向き直り縛鎖の呪文を唱え始めた。ミリルもイリアスのほうに向かって突進していくが、どうみても攻撃が届く距離に入る前に詠唱が終わる。
──だめだ。イリアスのほうが早い。
「閃光を操りて、我、この者を鎖で封ず…」
発動まであと少しというところで、イリアスの方に向かっていたミリルの姿がぱっと消えた。
「!!」
ドリムもイリアスも何が起こったかわからず、硬直する。そんなイリアスに向かって、何かの小動物が驚くほどの速さで突進してくる。
ドリムがそれが猫だと気づいた瞬間、その猫は一瞬のうちに人の形に変化し、最終的にミリルになった。
「メタモルフォーゼ…」
ドリムは無意識にそうつぶやいた。
イリアスもこのあまりにも現実離れした光景に詠唱することも忘れ、しばらく呆然と立ち尽くしていた。
その間にミリルは一気に間合いをつめる。イリアスが我にかえり、防御障壁を出そうとしたときにはもう遅かった。
イリアスが詠唱するよりも先にミリルの足がイリアスの喉を捉え、同時にミリルの右手があごに飛び、声が途中で中断される。
倒れる前にミリルはイリアスの襟首を掴みそれを許さない。イリアスにはもはや勝機はなかった。
「今のは友達を傷つけられた私とシリルとあんたに傷つけられたドリムさんの分」
イリアスは先ほどのパンチが効いているのか、よろけて立っていることもままならない状態だった。
「そしてこれからのはあんたの私利私欲で傷ついたココナや女の子たちの分!!」
ミリルは突き飛ばすように襟首を離す。ミリルは即座にひゅっ、と息を吸い構えをとる。
そのときのミリルの目は先ほど作戦会議のときに見せた狩る者の目になっていた。
そして、崩れ落ちてくるイリアスに向かって機関銃のようにパンチを何度も浴びせる。
最後にミリルは右ストレートをイリアスの顔に叩き込んだ。
それは吹っ飛ばされ、壁にたたきつけられ、動かなくなった。
ドリムはそれに近寄り覗き込むと、息はしていたが全身にあざができ、しばらく動くことすら出来ない状態だった。
「ドリムさん。」
突然名前を呼ばれドリムは肩をすくませる。振り返るとミリルはいつもの顔に戻っていた。
「私がメタモルフォーゼ出来るってこと秘密にしてもらえませんか?」
「は、はい。わかりました。」
ドリムは思わず敬語で答えた。

その29 geitoさん

ドリムの危機は免れた、一方リリィの方もゲートが繋がりつつあった。
「……開いたよ!!。」
二人はローグのいる空間にゲート何とか繋げると、二人とも力が抜け、リリィはそのまま座り込み、リナはシリルに支えられた。
「後は…頼みます。」
「分かりました。 でも、もし私が戻って来ないで、ここが揺れ始めたら、私を捨てて君たちだけでも逃げてくれ。」
「分かりました」
シリルとココナが了承を受ける。 それを確認した後、二アキスはローグのいる空間へと入っていった。

空間内は、周りは何も見えず、違和感を漂わせ、息も詰まりそうなくらい、どす黒い空間だった。
「ネリアス様、貴方は何処に、……なんだ?変な光がこっちに……これは!?」
二アキスが見たのは、ローグの悲しい過去だった。
ローグはこの島で生まれ、アリアスやイリアスとも仲の良い友人だった。 
しかし、彼ら3人の素質に目を付けた組織は、彼ら3人の両親を殺し、組織に連れて行ったのだ。
それから残酷な訓練が繰り返されたが、3人は一つの誓いと共にその訓練に耐え抜いていった。
そして、彼らはそれぞれの訓練にまわされた。アリアスは総司令へ、イリアスは調教士へ、ネリアスは戦闘兵へと配された。
しかし、アリアスとイリアスの二人は、この組織の真実を知り、ネリアスのみ、この真実が伝わらなかった。
そして、ネリアスにある少女の護衛任務が付けられた。
それが、リナ達だった。 ネリアスは組織のやろうとしている事など知らず、彼女達を連れて来た。
2、3日後、組織にリナ達が連れてこられた。それは、リナ以外の少女は自分の名前以外思い出せない状態でいた。
ネリアスは、アリアスに問い詰めた、少女達は犯され、記憶がないのに黙って見守っているのが居た堪れなくなったのだ。
アリアスはネリアスに真実を述べた。 愕然としたネリアスは友人と組織、そして、3人の誓い、己の名前、すべてを捨て、リナをつれて組織から脱したのだ。
しかし、組織には直ぐに漏れ、追われる立場となったネリアスは、ドリムにリナを預け、奴らをひきつけ、崖の方へと逃げた。 
しかし、崖まで逃げたは良い物の、敵に追い詰められ、崖から海の方へ落ちてしまったのだ。
しかし、崖の壁に落ちた彼は、奇跡的に助かった。進めそうな道を行き、洞窟にたどり着いた彼は、その洞窟の先に進むにつれ騒がしいことに気付いた。
  そこで彼が見た物は、ネリアス自身が連れてきた少女達が売買されている瞬間だった。 ネリアスはその洞窟の中で、狂ったかのように叫び、なき続けていた。
「これが、真実だ。」
突然二アキスの前に一人の男が現れた。
「貴方は?」
「??? なんだ、二アキスだったのか」
「ネリアス様!!」
なんとそこには前進、いや見も心もボロボロのローグが立っていたのだ。
「ネリアス様、これは一体?」
「禁呪…デジョルバによる物だ、デジョルバの空間に入った者は、決して死ねない体になり、精神的、肉体的な攻撃を延々と繰り返す。
  その代わり、術者の生命を極限まで削る。 蘇生の術を持つ者がいなければ、その人も死へいざなう」
「そんな、でももう大丈夫ですよ。 私と行きましょう。」
ローグは二ヤッと笑みを見せた。
「ありがとう、二アキス、だが遅すぎた。俺は当に死を望んでいる。生ある方に帰る気がしないんだ。」
そういうと、下半身から消えてゆく。
「そんな、ネリアス様!!」
「様はやめろっていってるだろ。 お前はお前の思う様にやれ。 組織の半分はもう、自由だ。」
「ネリアス…さま」
「最後に、俺の精霊にこう伝えてくれ、お前は…もう…」

一方ココナ達は
「遅いですね、どうしたんでしょう?」
「ローグさんを探してるんだと思う。」
リナもリリィも回復し、二アキスが戻ってくるのを待っていた。そんなときだった。
「おーい」
「この声、ミリルさん?」
声のほうへ見るとそこには、ミリルの肩を借りてやってくる、ドリムとミリルの姿があった。
「あの人は、まだ見たいね。」
ミリルは、ドリムをリナの前におろし、リナは早速ドリムに治癒の魔法を唱えた。
こうして、2人が合流したその時だった。 突然建物が揺れ始め、建物が崩れ始めた。
「なっ何?」
「建物が崩れる!?」
「逃げようよ」
「駄目だよ、ローグさん達を待たないと」
言い争いをしていたその時、ゲートから二アキスが現れた、その直後、ゲートの魔力が弱まり、閉じてしまった。
「大丈夫?、ローグさんは?」
「あ…ああ……ああ………」
「麻痺してるわ、とても話せる状態じゃない」
「誰かが抱えないと」
「ドリム、歩ける?」
「ええ、なんとか」
「ならその人は私が抱えるから、急いで逃げるよ。」
7人は、崩れ行く建物をなんとか避けながら、オークション方面の出入り口から抜けた。
あと少し、遅ければ、彼女達も泉の底だっただろう。
こうして彼女達は、森を抜け、町へと戻る。
そこには、組織壊滅を喜ぶ住人がココナ達を明るく迎えた。
そして、その夜、街全体が大賑わいをなった。ココナ達も、その騒ぎに一緒に参加していた。
一方のドリム達は、部屋を借りて、二アキスの目覚めとドリムの治療に当たっていた。
「うっう〜ん」
「あっ目が覚めた」
「ここは」
「町よ、組織が壊滅して今はここで休ませて貰ってるわ。」
目覚めたのを知ったリリィは直ぐに二アキスに突っかかった。
「ローグ様は?、ローグ様は何処なの?」
二アキスは下を俯く、それは、助けられなかったと言っているような物だった。リリィはそのまま泣き崩れた。
「何故助けられなかったんですか? あの条件なら、手立てはいっぱいあったはずじゃ」
「禁呪、デジョルバ……、君はこの呪文の効果を知ってますか?」
「デジョルバですって!!」
「お兄ちゃん、知ってるの?」
「知ってるも何も……」
ドリムはデジョルバの力を簡単に説明した、それでリナも何故、ローグが救えなかったのかが理解できた。
4人はただ落ち込むばかりだった。 やがて二アキスが口を開いた。
「リリィ、ローグ様から、伝言を貰っている。
(君はもう自由だ、ここに縛られる呪縛も、ローグさんの制約も、解放された)ってさ」
「うっうう…」
リリィは尚もなき続けた。
後々ローグの事を知ったココナ達もドリム達と共に、ローグの墓を立てた。 何も埋まってない土の上に十字架と石を乗せて、祈りを込めた。

こうして、奴隷商が指揮する砦は壊滅した。ドリムたちは、迎えの船が来るまでこの島にいる。
二アキスは、町の住人に謝罪をし、死で償うつもりだったが、その手は止められ、人々は彼を明るく迎えた。
そして彼は、この町の自警団員の一員となった。
リリィは、みんなに挨拶すると、精霊界へと帰っていった。
ローグとの思いでも秘めて。
そして、組織が消えた今、この島は組織としての楽園ではなく、人々の楽園に戻りつつあった。

その30 北桜

そして、ココナたちはドリムとリナとニアキスに別れを告げ、岐路についた。
なんとも波乱に満ちたバカンスではあったが、それでも彼女たちの思うところはひとつだった。
──来年もまた、この島に来よう。

青い空と、強い日差しに輝く青い海。その境界を目指し、船は大海原へ漕ぎ出した。

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